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1年かけて会社の島を作ったけど、これは正気の沙汰じゃねぇ

こんにちは、ギルガメッシュ湯浅です。

わたしは株式会社サイダスというところでデザイナーをやっています。先日、ついに『あつまれどうぶつの森』で1年もの長い時間をかけて作った会社の島『サイダス島』が公開となり、ゆめみ機能でいつでも遊びにいけるようになりました。

タイトルにもございます通り、単刀直入に申し上げると島の開発はまさに狂気の連続、正気の沙汰ではございやせん。誰だ会社の島なんざ作ろうだなんてとんでもねーことを抜かしたのは。わたしです。

ツイッターでは「#PR島開発計画」というハッシュタグを使って開発記録をまとめていました。過去を遡っていただければ分かりますが、わたしはゲーム購入当初からチマチマと作っていた自分の島を、自らの手で潰しています。この時、己の中に潜む狂気に気付くべきでした。

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始めに言っておきますが、これは完全にわたしが個人的に思いついて個人的におっぱじめた孤独と狂気の企画です。特に会社から島の開発を依頼されたわけでもなく、お前できそうだからやってよ、みたいなパワハラを受けたわけでもなく、ただただわたしがハイボール片手に一人遊びをするために始めたことなのです。

それなのに出来上がったとなれば会社の人も喜んでくれて、わたし一人で勝手にヘラヘラ始めた全力のおふざけが、みんなで遊べる場所という共通のコンテンツになりました。

しかし、な。

やはり島全体の開発はアホほどしんどいことの積み重ねでした。今回はそんな島開発の中で特にしんどかったポイントを書き連ねて、高らかにお焚き上げといきやしょう。

もし、サイダス島をご覧になって「ナルホド、世間にはこんなやり方もあるのか!自分もやってみようかな?」なんてキラキラした気持ちをお持ちになられた方がいらっしゃいましたら、大変申し訳ないのですが、こちらの記事はこれから一体どんな試練が待ち受けているか、という泥くさい地獄をお見せしてしまうことになりますので、どうかご注意くださいませ。泥でも何でもかぶってやるよ!という根性ゴリラの方は、ぜひぜひご参考になれば幸いでございます。それではいきましょう。

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あつ森プレイヤーなら耳鳴りがする程お分かりいただけることだと思いますが、島を開発するにはまず『島クリエイター』という機能が解放されることが必須条件なんですね。なんでかと言うと、まあ詳しいことはYouTube見てください。

『島クリエイター』とは:あつ森界のドン・たぬきち氏から課せられる、様々な試練を乗り越えた者のみに与えられる特殊能力。平たくいえば島を自由な形にするためのアレです。Nintendoが用意した初期設定のままの崖を、火サスの犯人が追い込まれた時の崖みたいにしたり、元々あった自然な形の川をナイル川みたいにしたり、草が生い茂る地面にコンクリすっ飛ばしておしゃれな洋風レンガを敷き詰めたりすることができます。まさに神の力。

この『島クリエイター』へ行き着くまでが、いかんせんクソ長いわけでございまして、自分のテントを張って無人島生活ヒャッホイとしていたら、やれ店を立てる資源が足りないだの、島に橋を架けてみろだの、建売物件の家具を用意しろだのと頼み込まれるんですよ。これがなかなかに厄介。もちろんこの過程がゲームのチュートリアルとなっているので、島クリエイター解放後も大変役に立つ貴重な経験になるんですが、常人ならばプレイ開始から最初の1ヶ月はこのチュートリアルに時間を食われてしまうんじゃないかと思うくらいの重労働でございます。これらは全てドン・たぬきち親分からの申し付けなのでやるしかない、やらねばゲームは進まない、という具合なんですね。

しかしそこは一度、自分の島で森羅万象に通ずる力・島クリエイターを手にしたことのある、経験と実績のあるわたしです。すでに要領は得ております。なんと島クリエイター解放までを1週間という超ハードスケジュールで乗り切りました。丁度、連休が重なったこともあって1日のほとんどの時間をゲームに溶かすことができました。ちなみにそんな1日のタイムスケジュールがこちら。

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バカなんじゃないの?(悪口)

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晴れて島クリエイターを手にしたものの、まずはオフィスとなる家を建てなければいけません。オフィスだけでなく、周辺に社員が行きつけにしているお店なんかも建てちゃったりしてさウフフとか考えていたアホなので、ここにバンバン家を立てることにします。


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さてお金の話をしましょうか。

あつ森では、1プレイヤーにつき1テントが与えられます。まずゲーム内での活動に対して付与される「マイル」というものを5000マイルほど溜めてドン・たぬきち・ゴッドファーザーに献上すると、テントから木造住宅への建て替えを仄めかされます。

バカなわたしは、島に住めるプレイヤーの最大人数である8人を住まわせ、全てのテントを木造住宅に建て替えることにしました。

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マイルはゲーム内であれやこれやと活動していれば自ずと溜まってくる便利なシステムですので、これはまだ良いでしょう。では次にマジなお金の話をします。

8つのテントが無事、全て木造住宅へと変わるのですが、この家がまたクソ狭い。例えるならば東京のワンルームマンション6畳といったところでしょうか。クソ狭い。せめてオフィスやお世話になっているレストラン・旅館なんかはもう少し広くしたいわけです。しかし家を広くするには、テントから木造住宅に建て替えた時のローン98,000ベルを払い終えないと、ドン・たぬきち敏腕セールスマンは増築の話をしてくれないんですね。

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余談ですが、ベルとはゲーム内の通貨のことで、価値としてはまあ、円と大体一緒です(大嘘)

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しかし、いくら広くしたいとは言え、家1軒につき98,000ベルも支払うことになるのは相当な痛手です。ここは大人しく増築する家を厳選し、最小限の出費で抑えたいところ。そこで広くしなければならない家が8軒中、何軒あるのかを考え直しました。その結果がこちら。

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全部やないかーい(茶番)

ということで島にある8軒の家、全てを広くしました。ちなみにわたしが効率よく、不正をせずにお金を稼ぐ方法として選んだのがこちらの方法。

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さすがはゲーム。金を埋めると金が増える。しかし埋めたお金が3倍になるだけなので、どの道この工程を繰り返さなければなりません。

島のどこかにある、光る穴は1ログインにつき1穴あります。毎日ひとり1穴。ここに1万ベル。それが3倍。ワタシウソツカナイ。島に住まわせているプレイヤー8人全員をフル稼働しても、1日に稼げる総額は24万ベルということになります。穴に埋める元本の8万ベルを差し引けば、純利益は16万ベルです。

何でいちいち繰り返さなアカンねん、10万でも100万でもいっぺんに埋えたらええやんけ!と思った、そこのコッスい商売してはるアナタ。この光る穴が増やしてくれるお金の最大値は1万ベル。それ以上を埋めても増えません。あつ森の中でさえも、そうそう上手くはいかないこんな世の中じゃポイズン。

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さて、そろそろお金の話も疲れて来た頃でしょう。わたしは疲れました。もう面倒なので大方ハショリますが、最終的に住宅だけで総額いくら掛かったのかというと・・・

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地獄かよ(地獄だった)

ちなみに空っぽの家を用意するだけでこの額なので、家の中に飾る家具を用意するのにもまた云百万とお金が掛かることになりまどう゛し゛て゛なだよ゛ォ゛ォ゛オ゛オ゛ォ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ォ゛オ゛ォ゛ッ゛ッ゛ッ゛ッ゛!゛!゛!゛!゛!゛!(急な藤○竜也)


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再三申し上げました通り、島の開発には莫大な資金と時間がかかります。ですが、それらを存分に注ぎ込めば素晴らしい島が出来上がるかというと、不思議なことにそうでもないのがこのゲームの恐ろしいところです。なぜなら、島をオシャレに飾るには、それ相応の空間把握能力が必要になるんですね。は?(何言ってんだコイツ)

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ゲーム内の空間は、おおよそマスで構成されています。家具の配置も例外なく、見えないマスに沿って配置されることになります。つまり現実世界のように適当な場所に絶妙な感じで置く、ということが難しいんですね。また、家具によっては1マス以上の場所を必要とする大物家具、1マスにも満たない小物家具といった特殊なものもあり、このマスを計算しながら家具を配置していく、バーチャル空間把握能力を体感的に掴むことが最重要課題となります。は?(何言ってんだコイツ)

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しかし、マスに均等に収まるように家具を配置すればオシャレになるかというと、これがまたそうでもない。は?もう何やねんコイツ、しばいたろか、となるわけです。

そこで鍵となるのが他の人の島を参考にすることです。ありがたいことに、あつ森にはベッドで眠ることで、見ず知らずの人の島に遊びに行ける『ゆめみ機能』というものがございます。これで自分以外の凝り性がどんだけ凝りに凝った島を作っているかが覗き見できるというわけなんですね。

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もちろん全世界で流行り散らかしているゲームですから、自分ではオシャレな島に出来たと思っても、上には上が居るもので、うんとオシャレでぶったまげるほど映える島を開発してる方が山ほどいらっしゃいます。YouTubeやSNSなどでも日々、投稿されている美しい島々を見ていると「もっとこうした方がいいかもしれない」なんて色々なアイデアが湧き起こり、試して、挫折して、もう一度試して、のトライアンドエラーを繰り返すことになります。プレイ時間が250時間を超えたあたりから、何で仕事でもないのにこんなこと、と思わないでもないですが、仕事じゃないからこそ良い歳した大人が連休にカルピス飲みながらゲーム三昧できるんだ、と自分に言い聞かせます。みてくれは三十路手前の独身女ですが、やってることはまるで夏休みの小学生です。

しかし、慣れとはよく言ったもので、ある程度コツが掴めてくると、考えなくても大体オシャレに見えるような、ごまかしアイテムというものが自分の中で見つかるんですね。そんな、わたし的ごまかしオシャレアイテムがこちら。

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主要家具を置いた後に、こちらのアイテムを適当な隙間に入れ込むことで、なんか分からんがオシャレになっている気がする。知らんけど。という感じになりまして、おかげさまでサイダス島にはバカの一つ覚えでしょうか、ありとあらゆるところにこれらの家具が配置されています。もしサイダス島に遊びにいらした際に、こちらの家具が置いてあるのを見かけたら、あつ森上級者のオシャレクリエイターが作ってるんだと思われたいがために、泣きながらモンステラを発注しまくる三十路手前の夏休みの小学生みたいな独身女の姿を想像してください。

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ここまで長きに渡りお送りしてきました『サイダス島・開発秘話〜お焚き上げの会〜』いかがでしたでしょうか。途中、昔ニコニコ動画で再生回数を伸ばしていた吉幾三さんの名曲を派手にREMIXした動画を思い出しながら執筆をしていたのですが、久しぶりに聴きたくなって探してみたところ、2018年にYouTubeの方で投稿されていましたんで、この場をお借りして皆さんにシェアさせていただきますね。これがもう10年以上も前のものだなんて信じられない。あの頃のわたしはゲームなんて全くやっていなかったのに、こんなにもゲームに時間を溶かす妙ちくりんな大人になっているとは思わなんだ。時代の流れとは恐ろしいものです。何の話やねん、ええからこれ聞いてください。(※吉幾三さんが入られる時の『!?』という感覚を味わって欲しいので、初見の方はくれぐれもスキップせずにご視聴ください)


それでは最後に、あつ森で会社の島『サイダス島』を1年かけて作ったわたしが、個人で会社の島を開発すること・会社にまつわるエピソードを散りばめた島を開発して皆で遊べる場所を作ることが、どんなものであるかという結論をもって締めくくらせていただければと思います。それではいきます。


結論のコピー

いくらゲームで遊んでいると言えども個人的な趣味で始めたわたしでこのザマですから、間違っても皆さんは何かの使命感に駆られて島を作るということは避けた方がよろしいかと思います。一部、会社として正式に島を作ってらっしゃる方もおりますが、あれもなかなか出来たことではありません。わたしは趣味で勝手にやっていましたから1年ものクソ長い時間をかけてダラダラ作っておりましたが、前述の方達は短い期間でキッチリ島を開発して公開されたわけですから、なかなかハードであったと推測します。マジすげえよ

もちろん、わたしとてこの企画が楽しくなかったわけではございません。終始楽しみながら、泣きながら完遂したことは、わたしの自信にもつながりました。いや他にどこで使う自信やねん、という感じがしなくもないですが、きっとまた何か地道で壮大なことをブツブツ言いながら始める時、サイダス島を開発した日々がわたしの糧になることでしょう。知らんけど。

それでは、最後までお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。またいつの日か、わたしがくだらん話をするために筆を取る日が来ましたら、その時にまたお会いしましょう。

ギルガメッシュ湯浅でした。

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