見出し画像

シェアオフィスでの出会いをきっかけに新たな仕事にも挑戦中。経営者と二人三脚で課題を解決へ

数少ない女性の中小企業診断士としてビジネスプランの作成や経営課題の解決に向けたアドバイスなどを行っている安永麻実子さん。G Innovation Hub Yokohama (以下G)でも他の入居者から頼りにされる存在です。シェアオフィスでの出会いを通じてシェアハウスシェアキッチンの開業、運営管理にも携わるなど、仕事の幅も広げています。安永さんにとってGとは…?

共感し合える部分を見つけて、悩める経営者の一番の味方に


この仕事を始める前は会社員として業務改善のための分析などの業務に携わっていました。普段から良くないことを改善していくのが好きだったこともあり、企業の経営課題に向き合える中小企業診断士の道を選びました。リタイア後に挑戦する人が多い資格なので、受験者のほとんどは男性です。合格者の中で女性は5%程度ですが、美容や宝飾など女性の視点が必要な業種もあるので声がかかることは多くて、必要とされている感じがしますね。
仕事をするときに意識しているのは、「相手を生かすコミュニケーション」です。「こうであるからこうしなさい」と断定的に言わず、相手がどうしたいのか、さらに良くするにはどうしたらいいのか、相手の考えや希望などを突っ込んで聞いて理解するようにしています。そして自分がその経営者の一番の味方になることですね。自分と相手の共感できる部分が見つかると相手も味方を得た気持ちになって信頼してくれます。
経営がうまくいっていない状態というのは何かしら変えなければいけませんが、一人では変えられないし、気付かないことも多いです。でも人に指摘されると嫌な気持ちになるので、いかにそれが大事なことかを伝えて受け入れてもらえるように提案することに気を配っています。そういう部分は女性ならではかもしれないですね。
相談で多いのは「広告戦略」です。昔はブログ、今はSNSや動画サイトですが、クライアントさんの中には新しいメディアに翻弄されたり、変化に戸惑いを覚えたり、諦めてしまう人もいます。そんな人にも「御社にとって大事なのはSNSをやることではないんじゃないですか?」というところから向き合って、既存のウェブサイトを生かすなどの提案をしています。SNSをやってみたいという人にはフォロワー数の目標設定をして、達成のための道筋を示すこともあります。全方位的にいろんなものを浅く知らなければいけないので、自分の情報更新が大事です。好みではないアプリもとりあえず入れて使ってみますが、TikTokは年齢的にちょっと苦手です(笑)

Gは思わぬ発想が生まれる魅力的な私の居場所


安永さんがの仕事や好きなものは垣間見えるセミオープンブース。こうしたディスプレイが会話のきっかけになることも。

開業後は横浜駅近くのコワーキングを利用していましたが、SNSでGがオープンすると知って、雰囲気が好みだったので見学に行きました。スタッフの対応や建築設計の説明も良くて、心をわしづかみにされて。「ここが私の居場所だ」と確信して即入居を決めました。入居した後は、「回り出したな」という感じで入ってくる仕事が変わったんです。どこに身を置くかで人からの見え方や自分自身から出てくる自信が変わるんでしょうね。Gはそういう力を持った場所だと思います。今はセミオープンブースで執務やコンサルティングをしていますが、自分の好きな物や本を置いたり、セミナーの告知を掲示したりして、他の入居者との話のきっかけにもなっています。ある程度周りに人がいるほうが集中できるので、非常に重宝していますね。煮詰まった時はスタッフに愚痴も言えますし(笑)。
私は「誰かと一緒に仕事をしたい」といつも思っているんです。今は他社をパートナーとして仕事をしていますが、その人たちも一緒に作業できるような個室をGの中に自分が確保できたら良いなと考えています。法人の規模を拡大したいとは思っていませんが、ここにいるといろんな刺激を受けて、規模を拡大したほうが面白いのでは?という発想につながることもあります。Gにいなければ思いつきもしなかったことだと思うんですよ。それがここの魅力であり、将来性、発展性だと思いますね。

入居者らとの何気ない会話が続々と新たな仕事に発展

美容室を改装したシェアハウス。丸い鏡、シャンプー台などはそのまま活かされている。

2021年には店舗のレイアウト設計や事業計画、運営体制の構築までを行う合同会社実ノ屋を立ち上げてシェアハウスの運営管理も始めました。きっかけは母が所有していた賃貸物件を借りて美容室を営んでいた店主が高齢のため商売をやめて空き家になったこと。築60年ほど経っていたので取り壊す話にもなりましたが、「何かに使えるかもしれない」と考えて、Gを設計したオンデザインのスタッフに相談したんです。現地を見てもらうと「これは良い!」と、いろんな活用アイデアを提案してくれて、「何したらいいかな」という私のぼんやりしたリクエストがシェアハウスに落ち着きました。実は以前から旅先で宿のオーナーや同室の人と仲良くなったりするのが楽しくて、ゲストハウスの運営などをやることに興味があったので、「そんな感じになったらいいな」と漠然とした思いはあったんです。1階が美容室、2階が住居だった木造の一軒家を改装し、以前の面影を残しつつ、かわいらしい雰囲気のシェアハウスに生まれ変わりました。現在は3人が入居しています。

シェアキッチンを案内する安永さん

シェアハウス運営管理のノウハウを生かす機会にも恵まれました。G入居者の篁直樹さんが今年8月に南区役所の隣にオープンした「Bamboo sharekitchen&shop」の開業準備や運営管理を請け負いました。菓子用と惣菜用の2種類のキッチンを備えていて、オープンキッチンでは料理教室もできるような場です。昨年5月から物件を探して、料金設定を考えたり、チラシを作ったり、SNSの発信や利用者募集イベントの企画をやって。利用者が快適に利用できるための土台を作りました。中小企業診断士としてGの入居者から補助金申請について相談されることが多いですが、篁さんからもその相談を受けて。話をしていたらいつのまにかシェアキッチンの運営管理の仕事を任される流れになっていました(笑)。

思いを名刺に記して会話のきっかけに

実ノ屋の名刺には話のきっかけになるように自分の名前の下に「#WHYにこだわる #木と布と紙と #移住して起業」のフレーズを入れています。“WHYにこだわる”は仕事を依頼してきた相手に「どんなお客さんと接したいのか」「なんでこれをやるのか」という思いをもっていてほしいから。相手からそれを聞いてきちんと繋がらないとうまく仕事ができないと思っています。“木と布と紙と”は私の好きな天然素材のもの。その関係の製造や小売りをする人と繋がれたら嬉しいですね。“起業して移住”もこれから自分のしてみたいことです。そういう思いを持った人の応援もしてみたいと思っています。

関内のおすすめスポット…

横浜公園…横浜スタジアムに隣接し、きれいなチューリップ花壇があり、子どもも遊べる憩いのスポット。池には亀もいて癒される。煮詰まった時にこういう場が近くにあるのは最高!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?