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イラレユーザー必見!「直しに強いデータ」の作り方
デザイン作業で避けられない「直し」作業。一箇所だけではなく、該当する部分すべてを修正しなければならないのに、抜け漏れが発生して手戻りが…と頭を抱えているデザイナーも少なくないでしょう。
10年ぶりに全面リニューアルした『10倍ラクするIllustrator仕事術』では、デザイナーの必須ソフト「Adobe Illustrator」で直しに強いデータを作るための「Live & Sync」という考え方を紹介。直しに強いデータの作り方がわからないデザイナーにも、すでに直しに強いデータ作りを心がけているベテランユーザーにも知ってほしい、Illustratorの新機能も駆使した直しに強いデータを作る原理原則とコツを徹底的に解説しています。
原理原則の理解と合理化の追求で、イラレ使いの皆さんがより楽しく、素晴らしいデザインを生み出せることを願う本書より、著者が提唱する「Live & Sync」の考え方について紹介します。
※この記事は、鷹野雅弘『10倍ラクするIllustrator仕事術【改訂第3版】~ベテランほど知らずに損してる効率化の新常識』(技術評論社)の一部を再編集したものです。
「直しに強いデータ」を作るLive & Syncという考え方
デザイン作業で避けられない「直し」は、レビュー対応だけでなく、ブラッシュアップの過程でも欠かせません。長期的な視点で見ると、修正に強いデータを作成することが重要です。そこで、Illustratorで制作する際に意識したいのが「Live & Sync」というフレームワークです。
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「Live」は、後から何度でも修正可能な状態を維持することを意味し、「Sync」は、修正内容を自動で更新することを指します。どの機能が「Live」と「Sync」に該当するのかを理解しておくことで、効率的なデザイン制作につながります。
アピアランスとグラフィックスタイルは、LiveとSyncの2つの領域を唯一つなぐ存在であることからわかるようにIllustratorでの制作において非常に重要なポイントであり、効果的なデータ作りのキモです。アピアランスは、グラフィックスタイルとして活用することで完結すると言えます。
Live〜後から何度でも修正可能に〜
後から何度でも修正可能にしておくこと。「仮」の状態であり、非破壊と呼ぶこともあります。
アピアランス
ライブシェイプ(ライブコーナー)
ライブペイント
複合シェイプ(=パスファインダーを仮に適用した状態)
次の機能もライブと言えます。
マスク(クリッピングマスク、不透明マスク、グループの抜き)
文字タッチツール
OpenTypeオプション
グラフ
ブレンド
パターン
グラデーション
近年、次の機能が加わりました。
フリーグラデーション
パペットワープツール
パターン
リピート(ラジアル、グリッド、ミラー)
クロスと重なり
モックアップ(ベータ)
寸法ツール
Sync〜一括で更新される〜
何か修正したら一括で更新されること。親子関係と呼んでもよいでしょう。
グラフィックスタイル
シンボル(9スライス、ダイナミックシンボル)
グローバルカラー
段落スタイル/文字スタイル
合成フォント
ブラシ
パターン
CCライブラリ
複合シェイプを使えば、仮の状態でパスファインダーを適用できる
図形同士の足し算・引き算とも言える「パスファインダー」機能。これまで「合体」や「型抜き」を行うと、直後に「取り消し」はできても、やり直しはできないのがIllustratorの常識でした。
この問題を解決するのが「複合シェイプ」です。複合シェイプを使用することで、処理後もシェイプを編集可能な状態に保ちながら、パスファインダーの機能を活用でき、修正の自由度が大幅に向上します。
複合シェイプの作成
複数のオブジェクトを選択し、Option(Alt)キーを押しながら[パスファインダー]パネルの[合体]をクリックします。
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たとえば、❶を複合シェイプにすると❷のように合体したように見えますが、アウトラインモードにすると❸、元の図形のパスが保持されていることがわかります。
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オブジェクトはグループ化された状態ですので、パスファインダーがかかったまま、構成するオブジェクトを[グループ選択ツール]で移動したり、変形したりできます。
選択オブジェクト編集モードを使うこともできます。
複合シェイプの拡張
複合シェイプを選択し、[パスファインダー]パネルの[拡張]ボタンをクリックすると、実際にパスが変更され、再編集は不可能になります。
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![](https://assets.st-note.com/img/1736390071-l3rj5pdXv1FQ2bTcHUzietAG.png?width=1200)
複合シェイプの入れ子
複合シェイプは、さらにほかの図形の組み合わせで複合シェイプにできます。吹き出しの“しっぽ”部分を複合シェイプにしておけば、後から“しっぽ”の形状を調整しやすくなります。
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『10倍ラクするIllustrator仕事術【改訂第3版】~ベテランほど知らずに損してる効率化の新常識』(技術評論社)には、ほかにも10倍ラクするためのIllustrator仕事術が満載。ベテランユーザーの皆さんにぜひ読んでいただきたい1冊です。