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コラム:コ-ヒ-と暮らす.vol.5 コーヒーの名前と歴史

コーヒーの名前には、基本的に産地の名前がついているが、一部例外もある。マンデリンはその代表格と言えるだろう。
 大英帝国との覇権争いをかけてオランダ東インド会社が始めたインドネシアのコーヒー栽培は、1908年、天敵であるさび病の大被害でほぼ壊滅してしまった。その時、高品質の品種を守って復活を導いたのがマンダリン族であったことから輸入業者によって命名されたようだ。
インドネシアにはもう一つトラジャコーヒーという有名ブランドがあるが、これは「トラジャ族のアラビカ豆=トアルコ・トラジャ」として日本の輸入業者によって付けられた呼び名で現地ではママサ・カロシの名で流通している。

また豆の名称とは別に、国際コーヒー機関(ICO)の取引上のグループ分類に<コロンビアマイルド>という呼び方があり、コロンビア、ケニア、タンザニアの3つの生産国の水洗式アラビカコーヒーのことを指す。
水洗式とは、果肉除去を行ったのちに水洗いし乾燥させる工程で、設備費用がかかってしまう反面、混入物が少なく綺麗な状態で出荷することができる。このようにかつてコロンビアはその柔らかな酸味で高品質コーヒーの代名詞のように扱われていたわけだが、近年少し事情が変わってきているように感じられる。

中心的な栽培品種であったティピカの価格が高騰し、カトゥーラのような栽培効率の高いものが中心になり、かつての香味は失われたかに思われた。
その状況をある程度打破しつつあるのが、ナリーニョ県の豆で、2300mというちょっと今までの常識では考えられない標高の高さで作られていて、酸味方向の香味が補強されている。

 最近まで日本には入ってこなかった豆だが、現地を調査して発見して輸入に漕ぎつけた方々の努力には本当に頭が下がる。

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