『塔』2024年9月号 月詠(若葉集)
茉莉花の殖えゆく庭に立ち止まる自転車ひとりで曳いていた日に
絶対と言う時すこし目をそらす嘘が苦手な躑躅のような
フェンスの向こうにはぐれた藤の花が咲きさびしいことを知られずにいる
向日葵の顔のくらがりこの夏の暗さと思い目を逸らしたり
病葉を歌集にとじて次ひらく時にこの葉が見せる表情
黄昏の芒野原の背のたかさ 終わらないものだけ待っている
(三井修選、p.168)
・選歌後記に黄昏の〜の歌を引いていただいていました。
・七月和歌山歌会記に一首引いていただいていました。
すべてここにあるかと思う土曜日の朝にカフェオレ注がれる時/桜庭紀子
ありがとうございました。
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