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ジジの怪奇奇譚-2

・    祖父怒る

こちらは私がまだ会社員だったころのお話。

 私はフリーランスになる前、某医療機器メーカーで技術営業の仕事をしていました。
当時の私は検診車の開発のため、ある機械の同乗員として、夏は暑く、冬は極寒の地に行かされていました。転勤を言い渡されたのですが、わがままを言い何とかごねて転勤を免れました。
  そのお陰で私の生活はなかなかハードなものでした。
月曜日から金曜日までは、朝6時からお客さまのところで検診車に同乗し、検診車の稼働が終わると地方の事務所で報告書を書き本部へファックス。その業務が終わると、当時は金曜日に仕事終わりで帰ろうとしても自宅にたどり着けない距離だったので、土曜日の朝、新幹線で帰り、自宅で洗濯をしていました。
そして、週明けの月曜日朝6時にお客様のところへ出向くため、日曜日の夕方には現地入りするという日々が約1年、続きます。

 その夏は祖父の新盆があったのですが……

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