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「日本への旅行を、生涯忘れられない体験にしたい」Tripadvisor2024年度の人気No.1、Magical Tripのツアーはどのようにして生まれたのか?

こんにちは。株式会社ギフトモール採用広報担当です。
公式noteでは株式会社ギフトモールで働く人々や事業、文化にまつわる様々なコンテンツを配信しています。私たちのことをより深く知っていただくため、当社で働く社員がどのようなバックグラウンドを持ち、何をモチベーションに仕事をしているのか、社員に行ったインタビュー内容をお届けします。
今回はMagicalTripの商品企画・営業、蜂谷 翔音のインタビューをご紹介します。

相撲体験や舞妓ディナー、バーホッピングなど、訪日外国人向けのユニークなツアーを展開しているMagicalTrip株式会社(LUCHE GROUP)。同社が企画・提供している「Tokyo Bar Hopping Night Tour in Shinjuku」は、世界最大の旅行口コミプラットフォーム『Tripadvisor』で世界中の旅行者がおすすめする最高のアクティビティとして、2024年度の第1位を受賞しました。

同ランキングでは、この他にもMagicalTripの3つのツアーがトップ10にランクイン。これらツアーを企画しているのが、MagicalTrip株式会社の蜂谷です。大人気ツアーがどのようにして生まれたのか、誕生の裏側や、ツアー企画の転機となったというガイドブックの出版、今後生み出したいツアーの構想について話を聞きました。


蜂谷 翔音
MagicalTrip株式会社 商品企画・営業

アメリカの大学を卒業後、日本で広告営業を経験後、ミャンマーに渡り大手家具メーカーの輸入販売や内装業務に従事。帰国後、サイクリングツアー会社OFF-STREETを立ち上げ、後にMagicalTrip株式会社と合併。MagicalTripのサービス立ち上げ時からツアーの企画を担当し、現在はツアー企画の責任者をしている。沖縄県在住。著書に『今こそ学びたい日本のこと: 知っているようで知らない 日本人の心、食文化、職文化、信仰、地域の魅力など (地球の歩き方)』がある


提供したいのは旅先でしか経験できない、映像作品を超える体験

−エッジの立ったツアーが、訪日観光客から人気を集めていますね。MagicalTripのツアー企画をしている蜂谷さんにとって、特に印象的なツアーについて聞かせてください。

最近リリースした中でも、今年スタートした相撲体験ツアー(Authentic Sumo Experience in Tokyo : Enter the Sanctuary)は特に印象深いです。もともとMagicalTripでは相撲部屋の稽古の見学ツアーを実施していて。コロナ前からかなりの人気を集めていました。

見学ツアーで関係性を築いた相撲業界の方と、新しく始めたのが相撲体験ツアーです。元力士と相撲の取り組みができる、日本初のツアーです。

かつて相撲部屋として使われていた物件をMagicalTripと相撲関係者が共同で借りて、当社がガイドを提供して集客し、相撲関係者に元力士を提供してもらい運営しています。

そもそも相撲とは、日本の宗教である神道と密接な関係のある国技。ツアー冒頭では、神道と相撲の歴史からお伝えしています。その後は元力士の方々による朝稽古のデモンストレーションです。ほうきで掃除をし、神棚に手を合わせ…。四股の踏み方をレクチャーし、元力士と取り組みをして、最後は皆でちゃんこ鍋を囲む4時間のツアーです。

ツアーを設計する時に意識しているのは、映画でいう三幕構成です。元力士との取り組みをより深く楽しむには、前半のフリが重要で。神道と相撲についてある程度学び、シリアスな雰囲気の朝稽古から「神事としての相撲」を体感してもらいます。前フリを経て、後半のエンタメ要素たっぷりな取り組みや、ちゃんこ鍋で伏線を回収していくイメージです。

−映画を作るように、ツアーを組み立てているんですね。

MagicalTripのツアーはどれも3時間から5時間あって、参加費は映画館で1本の映画を見る費用の10倍はかかります。映画の世界に入り込んだような体験ができると、お金を払う付加価値を感じてもらえのではないかと考えています。

相撲と言えば、少し前にNetflixのサンクチュアリが話題になりましたよね。力士のド迫力が映像から存分に伝わってきますが、映像で見るのと、実際に力士に対峙するのは全くの別物。映像は今や世界中、どこからでも見ることができますが、相撲部屋に行って「自分の力で力士を押し出す体験」は日本に来ないとできません。

日本文化や相撲について知りたいのなら、ドキュメンタリー作品で十分学べる時代。私たちが提供したいのは旅先でしか経験できない、映像作品を超える体験です。体験としての付加価値をあげるには、綿密な設計とローカルガイドによる解説が不可欠だと考えています。

コロナ禍でのガイドブック出版が、“Unforgettable Experience”を生み出す転機に

−MagicalTripのツアーは、創業当初から体験価値や三幕構成を意識して設計されていたのでしょうか?

創業当初は、新宿や渋谷のバーホッピングツアーを提供していて、ローカルの人しか行かないような店を飲み歩くだけで十分楽しめるので、構成をそこまで意識せずとも、満足度の高い企画になっていました。今回『Tripadvisor』で1位をいただいたのも、新宿の飲み歩きツアーです。

意識的にツアーを練り込むようになったのはコロナ禍がきっかけです。観光客が日本に来なくなったタイミングで、地球の歩き方から本を出版することになって。MagicalTripがガイド向けの研修で用意していた知識を、『今こそ学びたい日本のこと: 知っているようで知らない 日本人の心、食文化、職文化、信仰、地域の魅力など (地球の歩き方)』として一冊の本にまとめました。

大学時代に学んだ社会学や、日本とアメリカの文化比較をテーマに執筆した論文での学びも総動員して本にしたことで、日本の文化や歴史に対する理解が一層深まりました。

https://www.arukikata.co.jp/guidebook/234830/

例えば、MagicalTripの奈良や嵐山ツアーでは5時間ほど街歩きをします。時間も長い分、どうしても途中がダレやすい。少しダレてしまう時間を知識のインプットにあてたり、同じ場所でも伝え方を考慮して、回る順番を変えると、満足度が変わることが見えてきました。

またツアーというのは、どうしてもガイドさんによって満足度が大きく変わる点も課題でした。観光客から飛んでくる想定外の質問にどれだけアドリブで答えられるか。ガイドさんの力量に頼る他ありませんでした。

その点、こちらでコンセプトを固めて伝え方の順番やツアーの展開を設計できていれば、ガイドさんに何をインプットしてもらえればいいか、スコープを明確に定めることができます。

執筆活動を通じてツアーのコンセプトをしっかり練られるようになってから、参加者の満足度が一気に跳ね上がりました。観光客が減って一時はどうなることかと思いましたが、結果的に自分たちが提供するツアーの深掘りができた。MagicalTripにとってパワーアップ期間になりました。

−しっかり設計されたツアーだからこそ、高い満足度を得られているんですね。ツアー参加者からはどんな感想が寄せられていますか?

“Amazing”とか“Impressive”というコメントはよくいただくのですが、相撲体験ツアーでは、“Once in a Lifetime”や“Unforgettable Experience”といったコメントも寄せられています。「生涯忘れられない体験」と言っていただくと、本当に作った甲斐があります。

今後は富士山や箱根のロングツアーに挑戦したい。タイ進出に向けても準備中

−そもそも蜂谷さんは、どんな経緯でMagicalTripに入社したんですか?

アメリカの大学を卒業後、ミャンマーでビジネスを展開している日本企業に就職しました。3年ほどミャンマーに駐在していたのですが、そろそろ日本で働きたいという気持ちが芽生えてきて……。

もともと旅とカメラが好きで、留学中も、駐在中もずっと旅行をしていたんです。旅好きと写真や映像の技術を活かせる仕事を日本でできないかと、仲良しの先輩に相談したところ、紹介されたのがMagicalTrip 会長Founderの鈴木でした。

鈴木とは二人で飲みに行って意気投合し、その日に入社を決めました。そこからはサイクリングツアー会社のOFF-STREETを立ち上げたり、同時並行でMagicalTripのツアー企画もしていました。結果的にOFF-STREETはMagicalTripに吸収され、今はツアー名称のひとつとして残っています。

−紆余曲折を経て、MagicalTripは現在の反響へと至っているのですね。今後リリースしたいツアーのイメージがあれば聞かせてください。

今までは3−5時間の、1つの町のツアーを展開してきましたが、今後は東京発の富士山ツアーや箱根ツアーなど、8-10時間のロングツアーも検討しています。
あとはタイでツアー会社を立ち上げるべく、現在準備しているところです。

−MagicalTripをタイで展開するということでしょうか?

タイに来る旅行客をターゲットに、タイの現地人がガイドをするMagicalTripタイ版です。Founder会長の鈴木も社長の岩瀬も、世界で通用するビジネスモデルを作りたいと考えていて、その目標に向けた大きな一歩がタイです。2025年春には現地法人を設立し、夏にはサービスのローンチを予定しています。

タイに来る旅行客は日本の1.12倍(2023年度)とマーケットも大きいので、日本で培ったノウハウを活かしてツアーを組み立ています。チャイナタウンのフードツアーや、ナイトマーケットツアー、テンプルツアーなど複数のツアー展開を予定しています。ここで成功できると、世界展開への可能性が一気に広がります。

友達がいる国と戦争したいと思う人はいない。旅行は戦争の抑止力にもなる

−LUCHE GROUPらしく、世界展開を見据えているのですね。今後、さらに人材が必要になると思います。MagicalTripの職場としての魅力はどんなところにありますか?

自由度の高さや風通しの良さ、みんなでいいものを作ろうというポジティブなエネルギーが溢れているところでしょうか。

自由度の高さという面でお話すると、働き方はフルリモートで、各自に大きな裁量権が与えられています。そのため、私自身は今、沖縄に住んでいます。1か月のうち3週間は沖縄。1週間は東京か関西、タイへの出張という生活です。毎月どこかしらに出張をし、ツアーの設計を考えたり、レストランと交渉したり、テストツアーを実施して参加者の様子を写真や映像に収めて編集したりしたいます。旅好きの私にとっては夢のような仕事で、もう天職です(笑)。

あとは、社長も含めてまだまだ若い会社なので、すごく風通しが良い。外国人のエンジニアが4人いるのですが、みんなでいいものを作ろうというマインドが浸透しています。仕事への疑問も、肯定も否定も人間関係に響くことはありません。少なくとも私は、入社してから一度も会社の人間関係で悩んだことがありません。

一方、旅にトラブルはつきものです(笑)。この仕事をしている以上、トラブルは日常茶飯事。自分でもたくさんの旅をして、多少の荒波なら「なんとかなるさ」という精神で乗り越えてきた方に来ていただけたら嬉しいですね。

−最後に、蜂谷さんがMagicalTripで実現したいことを聞かせてください。

日本人の間で「インドに行くと世界が変わる」という話、よく聞きますよね。実は海外の人からすると「日本に行くと、世界が変わる」。そのくらい、日本は他の国と違います。

だから、日本に来た旅行客の人生が好転するきっかけになるような体験を作りたいし、死ぬ前に思い出せるほど、強烈な体験を提供したい。そういう体験は、いくら高くても払う価値があると思うんです。人生で忘れられない体験の提供を目指して、引き続きツアーを企画していきたいです。

そしてもうひとつ、旅行産業は平和産業だということ。海外の人が日本に来て、日本人と友達になったり、日本の文化を深く理解すると、それが本当の意味で戦争の抑止力につながると思うんです。友達がいる国と戦争したいと思う人はいないですよね。旅行って、その国を見るメガネが変わる可能性を秘めている。そういう、いい意味での気付きや経験を、旅行を通して伝えていきたいです。

やっぱり旅の価値って、お金では測れない。一生に1回しか日本に来ない外国人もたくさんいます。その印象が、1つのツアーで良くも悪くも決まってしまう。参加してもらった1つのツアーで、提供価値をどこまで最大化できるか。ここが腕の見せ所であり、この仕事の一番楽しいところだと思っています。


《ギフトモールでは一緒に働く仲間を募集しています!!》
https://herp.careers/v1/luchegroup

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