「一緒」がチームワークじゃない
教会でクリスマス行事準備の為、青年部のみんなと買い出しに行った時のことだった。
クリスマス会に参加される子供達の為にお菓子を準備しようということで、大量に且つ安く買えれるという、東京にある駄菓子専門店で物色することにした。
週末の夜。
賑わうショッピングモールの中にあるその駄菓子屋さんは子供大人に関係なく、人で溢れていた。
おしゃれな店だった。
棚にはカラフルなパッケージに包まれたお菓子がぎっしりと並べられていた。
更に、より多くの人に注目されるよう、店内は明るいライトで照らされていて、一層楽しい雰囲気を醸し出していた。
さぁ、早速お菓子選定だ!
が、単に選ぶだけではない。
バランス良くなるよう、甘いお菓子としょっぱいお菓子を均等に選出しなければならない。
そして足りるよう、人数分を考え、余分に購入。
時に通りを歩く人達にぶつからないよう、周りを見渡し、
曲がり角から急に飛び出す子供達を怪我させよう細心の注意を払う。
そうしながらも、メンバー達の雑談に加わりーー
ついに、私は限界を迎えてしまった。
襲い掛かる頭痛と吐き気。
手足の痺れ。
バクバクと暴走し始める心臓。
呼吸もどんどん荒くなり、これら全ての異常がパニック発作の到来を告げた。
仕方がなく早退。
青年部の副会長ということで、出来れば団体行動にもしっかり参加したいと思ったのだが、やはりこういったイベントは感覚過敏の私には過酷過ぎたようだ。
ストレスがパンパンに詰まった心は悲鳴を上げていて、今にも涙が出そうで、とてもとても苦しかった。
このような現象は初めてではない。
そういえば、昔は発作する度によく自分を責めたものだ。
「なぜ他の人が平気でいられる環境にいれないのか」
「なんでこんなことも出来ないのか」
「どうしていくら頑張っても発作は起こるのか」
……
でも、不思議と今回は全然落ち込まなかった。
この分野は苦手でも、
自分は別分野で十分活躍出来る。
そう信じてやまなかった。
大きな進歩だ!
素晴らしいぞ自分。
褒めてつかわす。
その後、私は早退について謝り、そして今後は買い出しといった作業には不参加させてもらうときっぱり断った。
「青年部が一丸となって欲しい」というのが総務担当の意見だったが、私はこれに対し、
「一人が良い」
とはっきり伝えた。
協調性が重視され、何事も「みんな」が強調されがちだが、
私はその環境では力を発揮出来ない。
一時、こまごまとした作業を単独でこなす私を見て周りが大変そうだと心配してくれたことがあったが、むしろその方がやりやすいのだ。
「そういう体質だから」
別に何もかも「一緒」でなくて良いと思う。
それぞれの強みが十分に発揮できる、それこそがチームワークなのではないか。
私だけではない。
他のメンバーも、自分の出来る・出来ないをきちんと伝えながら頑張れたらどんなに素晴らしいことだろうか。
電車に揺らされ、必死に気持ちを落ち着かせようと試みながら、切実にそう思った。
(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/11/26/080000)
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