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メンタル回復の「三寒四温」

 「三寒四温」という、早春の天気を表す言葉がある。
 春になったばかりの頃は、しばらくは寒い日と暖かい日が交互に繰り返される。
 すぐに暖かくならず、冷えたり暖かくなったりしながら、徐々に気温が安定していくのだ。

 

 だから春先は服の調整が大事だ。
 暖かくなったからと、早まって冬着を片付けてしまったら、次の日は急激に冷え込んだりする。
 身体を壊さない為にも、慌てず落ち着いて天気を観察し、その日その日に合わせて体調を整えておかなければならない。

 

 一度病んでしまったメンタルが回復するまでに踏む過程も、これと実に似ていると思った。
 調子の良い日と悪い日が交互に来て、徐々に元気になっていくものだからだ。

 

 うかつにも、メンタルをやられてしまった。

 

 まず感じたのは、ちょっとした無理でも、完全に出来なくなってしまったことだ。
 昔ならばひと踏ん張りで乗り切れたことも、今ではその力が全く出せない。
 それどころか、以前の作業量の半分だけで、エネルギーが使い果たされてしまう。

 

 精神面においても、体力面においても、持久力が随分と下がってしまった。

 それからというもの、休むことは私の生活の一大事になった。
 休職はしていないが、仕事の量を減らし、調整しながら出来る限りの範囲で行うようになった。
 家事も、勉強もそうだ。

 

 そうやってしばらくは思うように動けない日々が続いたが、ある時になって、なんか急に元気が出てきた。
 ようやく治ったと思い、張り切って作業量を戻した。
 が、それが判断のミスだったーー
次の日、疲れがドッと出て、パニック発作を起こしてしまった。

 

 それで分かったのだ、これは


一時的に調子が良いだけで、回復したことではない

ということを。


 

 珍しくやってくる好調には要注意だ。
 これに浮かれて、あれこれと活動し過ぎてしまうと、ガクッとエネルギーが切れてしまう。

 

 「三寒四温」で例えるなら、これは一時の「温」である。
 つまり、しばらくしたら、また「寒」がやってくるのだ。

 

 だから元気な日は、これから来るであろう不調の為に、力を温存しておかなければならない。

 

 好調時の波に乗って高く飛び過ぎてしまうと、落ちた時のダメージは大きい。
 もう大丈夫だと思い込むことは禁物だ。
 そんな時だからこそ、更にしばらく時間をかけて、じっくり自分を観察しなければならない。

 

 それに合わせ、不調時での自分が出来ることを、少しずつ少しずつ増やしていくのだ。

 メンタルの回復は、一朝一夕では治らない。
 時には半年や、何年もかけることもある。
 だからこそ焦らずに、長い目で見なければならない。

 

 上手にメンタルの「三寒四温」を乗り越え、確実な回復を目指すのだ。

(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/04/16/080000

(画像素材元:https://ja.pngtree.com/)

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