随分と気味の悪い世の中になった【真実を見るために】
SNS等でフェイクニュースが蔓延る現代で、もはや我々庶民各々が真実を判別することは極めて難しくなってしまった。陰謀論もそれを揶揄する人も、反ワクチンも推進派もどれだけそれらしい証拠たるものを述べられ信仰したとしても、きっとこの世の中で真実を知ること程難しいことは無い。
だから私達は今、より正しい情報を見極める力を身に付ける必要がある。
私が特に情報を注視し始めたのは、記憶が確かであれば2022年頃Twitterにて、「mRNAワクチンを打った人の血管からホワイトクロット(血栓)が摘出された」といった旨のツイートだ。
その頃、まだ「陰謀論」と言う言葉は無く反ワクチン派と推進派の派閥も表立っていなかった。
ツイートを見た当初、これが本当であれば大事だろうとTwitterで情報を漁ることにしばらく耽った。不確かな情報を漁るあまり陰謀論なるものにハマりかけたりもした。
しかし私は真実を突き止めたい衝動から、情報を見極めるためには知識が必要だと思ったため政治や情勢、歴史に関する書籍を少しずつ読み始めた。(一般人が調べられる程度なのでペースも知識量も一般人並み)
知識を得ていくとパズルのピースが1つずつ集まっていくように、私達が今生きている世の中の形がどのようなものかぼんやりと輪郭を表し始める。
私から見えるその輪郭はこの世のどんなフィクション小説よりも、どんな創作映画よりも、直視することすら躊躇う程気味が悪く、グロテスクに見えている。
10年程前に出会った作品だが、今皆さんに是非読んで頂きたい本がある。
「風の谷のナウシカ」を皆さんは既に読んでいるだろうか。
かの有名な宮崎駿氏の作品であるが、原作を手に取り読んだことのある人はどれ程いるだろう。
フィクション作品だがしかしこの世の中の輪郭を捉えるために役立ってくれる一冊になるのでは無いかと私は思う。
何故なら描写が非常に私達の生きるこの現実と似通っていると思うからだ。
かつては無類の漫画好きの私だが、この作品は一線を画し私達に大事なことを教えてくれる。
※以下ネタバレを含む
ナウシカの住む世界観の設定は、ほぼ映画と同じ通りだ。しかし全1~7巻のうち映画の内容は2巻にも及ばない。スケールは段違いだ。
物語の終盤、ナウシカは長い戦争を経て住む世界の謎と自分達人間のルーツを突き止める。
ナウシカの生きる世界になる以前、火の7日間の中、絶望の最中に居た旧人類達は汚染された大地を浄化するために王蟲や腐海を作り、人や生き物を作り替え、それ等による浄化が終わるまで自分達は墓を作り閉じ籠った。物語では浄化(腐海が大地を被うこと)が迫っている。しかしナウシカ達新人類は浄化された大地の中では生きていくことはできない。
ナウシカは旧人類のため自分達新人類と今の世界が作られていたこと、そしていずれ大地が浄化され新人類が滅ぶこと(民衆はそれ等を知らないがナウシカとごく一部の者だけが悟る)、それ等を悟りながらも旧人類の墓を消滅させ、戦争を終わらせ民衆と生きていくことを選び、物語は終わる。
作者の宮崎駿氏は戦争経験者である。
宮崎氏のメッセージは正に終盤のナウシカのセリフの中にあるのだろう。(詳しくは是非読んで頂きたい)
自分達が常識だと思っていたことは蓋を開ければまるで正反対で、未来は残酷だと分かっていながらも生きていくことを止めることは出来ない。
まるで私達の生きる現実に似通ってはいないだろうか。
ナウシカのように、勇ましく、等しく生きる者を愛し、揺さぶられながらも恐れることなく真実に向き合えたなら。
そんな姿勢を皆が持てたのなら、世界は少し良くなりはしないだろうか。
続く
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