授業を見せる抵抗感
小学校では、校内研究の名のもとに代表となる教員が授業を公開します。その公開を誰がするのかと考えた時、経験年数が上がれば上がるほど、その回数は減っていく人が多いように思います。それは、校内研究が若手の指導力を伸ばそうとする装置として捉えられている側面もあるからでしょう。ベテランの先生がずっと公開授業を行えば、新しく教員になった先生が授業を見せる機会が減ってしまうのも事実です。だから、経験を積めば授業を見てもらって成長する機会を次の世代に渡していかないといけません。
本当にそのような考えでその席が渡されていってるのであればいいのですが、そうではないところもあるのではないでしょうか。つまり、授業を見せることやその準備を嫌がって、新しく来た人に押し付けるような決め方になってはいないかということです。そうなるには理由があります。授業を見せることが自分を成長させること、周りからも頑張ったね、勉強になったよと存在を承認してもらえる時間であれば、奥の人が手をあげるはずです。でも実際は、使った時間に合うだけの成長や学びを感じられなかったり、温かみのない意見を伝えられたりする、頑張り甲斐のない時間になってしまっていることもあります。私もその時間を経験したこともあります。前者については、自分の捉え方次第なので、精一杯やった自分の取組であれば、例え上手くいかなくても多くの学びがあり、自分の教員人生に確実にプラスになるはずです。ただ、周りからの心無い否定はどうしようもありません。周りからの厳しい意見すべてが悪いと言っているわけではありません。そこから痛みを伴いながらも成長につなげる人だってたくさんいます。がそのことを考えても今の時代には合っていないと思います。周りに承認されながら、楽しみながら学ぶことが私たちには必要だと強く思います。
昨年度5人だった公開授業者が、今年度は8人になりました。それは、授業をしてもいいかと思える校内の雰囲気になったことがあると考えています。それだけでも前進していると私は考えています。
自分の作った料理を自分の家族にだけ食べてもらっていては、馴れが生れ、工夫をしなくなり、料理の腕が上がることはなくなっていきます。保護者に見てもらう授業参観も、保護者は我が子を見に来ているのであり、教員の授業の作り方や、説明指示発問、指導技術について見に来ているわけではありません。校内研はお金をもらっている訳ではありませんがて参観する先生方の勤務時間をもらっています。同じ料理を作っている人に、その時間を払って見てもらうことでしか得られない意見もあるはずです。お金に換算すると結構な額になります。授業を公開することに抵抗感ではなくお得感を感じてもらえるような校内研究がいいなと思います。
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