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旅の記録#32 奈良県 古都奈良の新しい発見

和歌山県を北上し奈良県へ向けて移動します。和歌山県から奈良へは熊野川を遡上し、紀伊山地の深い森に囲まれた山道を長い距離走ることとなり、険しい道のりでした。奈良県は日本最古の神社と、東大寺や平城宮跡を見てきました。


日本最古の神社 大神神社

ネットで検索したところ、日本最古の神社は奈良県にあるらしいとのことで奈良で訪ねる神社はここに行ってみることにしました。宿泊した大和高田市から東へ数キロ走ると、これまでに類を見ないほどの大きい鳥居が見え、その土地の重要な神社であることが遠くからでもよくわかります。バイクを止め、少し離れた神社へ歩いていきます。神社の目の前は大きな工事が進んでおり、完成すると参道とロータリーが歩きやすい形に一新するようです。
二の鳥居を過ぎ、木々に囲まれた砂利の坂道を登っていき、一段高い所にある大きな注連縄をくぐると大神神社拝殿の前に出ます。大神神社は御神体を三輪山とし、山に向かうように位置する拝殿から参拝する形となっています。

今まで見た中で一番大きいかも。
巨大な鳥居から700メートルほど歩くと、本格的な参道に入ります。
山道はまっすぐ坂を登ります。いろいろな方が少し距離のある駐車場から歩いてきます。
三輪の大物主大神の化身である白蛇が住むとされる
御神木「巳の神杉」
お酒の他に卵もお供えされていました。
拝殿の茅葺き屋根には、染みた雨が上る日光によって蒸発し、幻想的な雰囲気を放っていました。

奈良の歴史と土産と教育と

バイクで積載できる荷物に限界があるので、お土産はもちろん、旅のアイテムを増やすような買い物をすることもなかなか難しいのですが、そうするとずっとお土産を買わずに先に進んでしまうので、ちゃんと観光施設で買い物をしようと「なら歴史芸術文化村」に寄りました。

ここは奈良県が保有し、運営は三社が構成する「やまとの路コンソーシアム」が行う施設で、主な建物として「文化修復・展示棟/芸術文化体験棟/交流にぎわい棟/情報発信棟」からなります。
交流にぎわい館は、地元の野菜から地元の木を使った工芸品、楽しいお土産から奈良県らしい雰囲気のお菓子のお土産まで揃っており、見ていて楽しかったです。奈良のお土産を買うならここですね!
芸術文化体験棟は、幼児向けの体験プログラムやアーティスト交流が行われる場所です。行った時には、幼児に地元で生産されている素材に好きなように触れてもらった時の反応の予想や実際に聞き取れたこと、各参加者の動態を記録した資料が掲示されていました。幼児が触れる体験を通してどんなことを感じているかを理解するアプローチともいえる内容になっており、参加者の幼児にも大人にも学びの多い体験プログラムだなと感じました。
文化修復・展示棟では、奈良県で出土した文化財の修復工房をガラス張りのホール側から見学できるようになっていました。また、企画展示や体験プログラムも行われており、こちらは学術的な内容となっているようです。
奈良県の魅力を一つのエリアで多角的に見られるのはとても便利だなと感じました。

交流にぎわい棟のお土産売り場は隅々まで見たくなる。
芸術文化体験棟にあった、幼児向け体験プログラムの全体結果を大まかにまとめたマップ。
大人が子どもの理解を深めるような内容だなと感じました。
文化修復・展示棟では木製の馬の土偶がお出迎え。
出土品の修復についての説明パネルがある。
工房を直接見られるのは貴重だ。
建築物の工夫に触れることもできる。

小学生以来の大仏様

小学生の時に見た大仏様を今見たらどう感じるかなと思い、小学校の修学旅行以来の東大寺へ行きました。バイクを止めて向かう途中の奈良公園では、外国人観光客が多くの割合を占め、それに負けないくらいの鹿も歩いていました。

平日でもかなりの人数。
鹿同士のケンカに遭遇!
小学生ぶりの東大寺。大人になってから見ても大きく感じる。

初めて見た当時は、でかい!すごい!くらいの感想でした。しかし今見ると、仏教が目指す救いを求めた人々の思いがこれを作り上げ、維持し、今日まで保たれてきた結果を目で見ることができているんだなと思います。その一人に今の自分と小学生の自分も含まれていると考えると、これを無事に観覧できるくらいの平和が、自分を含む今昔の一切衆生のわずか一粒一粒の数多の人によって作られ続けていることを感じます。盧舎那仏に手を合わせる気持ちが、文化のある平和な世界を作っている一端なのだと思います。

盧舎那仏に再び手を合わせてきました。

遣唐使の歴史を見る

奈良の観光PRでよく見る朱雀門も見たいなと思い立ち寄りました。
朱雀門の前の朱雀門ひろばは、幅の広い朱雀大路が再現されているだけでなく、資料館やお土産屋、遣唐使船の再現模型もあって見どころが多かったです。

朝陽に門の朱色が映えます。
細部まで美しい構造。
遣唐使船は1週間くらいで中国に上陸し、意外と成功率の高い航海だったらしいです。
なんと遣唐使船に乗れます!上は竹で編んだ帆。
幕の帆にはない、硬さのメリットがあるようです。
装飾がかっこいいですね。
広場の近くには奈良時代の位の高い人たちの行列の様子も描かれています。
奈良時代には唐の文化が入り、格式高い服の仕様に取り入れられました。写真は女官の礼服。

奈良では、古の神社と仏像と建造物を見るだけでなく、それを研究し後世に引き継ぐ活動を知ることができました。日本の様々な場所で、多様な角度から歴史を後世に伝えている活動があることを思い出し。頭の下がる思いになりました。
次は、奈良県生駒市から東大阪市を抜けて、大阪の中心地を目指します。

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