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台車じゃなくて、

キャリーカート って言うんですって。

 一昨日ぐらいに、文学フリマ(東京)の搬入と、自分の荷物を運ぶために、台車っぽい、なんかよくお買い物の時にマダム達がコロコロ転がしてる便利グッズを買った。(でも付属の袋はついてない、本当にコンパクトな台車みたいな見た目のやつ。)
 組み立てしてみたり、実際に荷物を積んで色々実験してみて、
「え、これは上がってんのが正解?下がってんのが正解?」みたいな部分があったので、型番と製造会社さまをググって、正式名称がわかった。

 キャリーカート。
 キャリーカートって名前だったの。あなた。

 ちょっと無言で立ち上がって、まじまじと見つめてしまった。
 さらに調べてみたらこのキャリーカートって、案外奥が深い。二輪、四輪はもちろんのこと、階段の上がり降りが楽なように六輪駆動のもの、引っ張ったり押したりもできるけど、横に並列になって並んで歩くみたいなこともできるもの、凸凹道対応のもの、ストッパーがワンタッチなもの、むしろ人間一人が座れるもの、いざとなったら背負えるもの、付属の袋がえらい高性能なもの、etc……。

 あれ?これ、もうちょい調べてから、買った方がよかったかも……?
 という禁断の一行が脳裏に浮かんだが、即座に否定する。ご縁があって、この台車(違う)が自分の手元に来たってことは、それが自分にとってはベストだったってことだ、と思う。
 というか、そう考えたい。
 それよりも考えるべきなのは、どうしたら自分がこの台車(違う)のポテンシャルを最大限に活かし、使いこなせるか否か、ということだ。むしろ自分が考えなくてはいけないことは、その一点に限る。

 ということで色々考えたけど、やはりダンボールをそのまま積むのはあんまり良くない気がしてきた。何か袋に入れて、荷物に一体感をもたすべきだ。その方がぐらつかないし。でもこの台ちゃん(名前!?)には袋がついてない。

 えー……。と早くも思った。が、仕方ない。

 なんか良い感じの使ってないリュックかバッグないかなぁーと、家の物置をゴソゴソして、見つけましたよ。それらしきもの。
 なんか、たぶん、大きすぎて、使えなかったんだろうなぁと思うような、リュック。

 なんか、なんだろ。縦に大きい。
 縦に重ねて積むならいくらでも入りそう。
 物を取り出そうとすると、小さい子ならひっくり返ってそのまま中に入ってしまいそうな感じ。
 底が遠いよー。って感じ。

 聞くところによると、これはバイク用に父が買ったものらしく、防水仕様の代わりにリュック自体が既に重たく、しかもいかんせん縦にデカすぎて、使い勝手が非常に悪かったらしい。
 そりゃあそうだよ。これ、たぶん最初に入れた物は「道々で思いついたらちょっと取り出す」ってことが絶対に無理だと思う。底が遠いもの。

 え、でも、防水良いじゃん。と思った。
 だって本は基本的には紙だからさ。当たり前だけど。あと、ちょっと当日に雨降ったらどうしよう、って怖がってたんだよね。
 しかも台ちゃん(名前。)に乗せるなら、荷物を差し引いてもちょっとくらい自立してくれるほどの鞄自体の重さが必要だと思っていたし。別に転がす分には多少重くても良いんだよ。むしろ安定するから。と、思った。

 試しに乗せてみたら、台ちゃんの幅とリュックのマチがほぼ一緒で、高さもちょうどよく、なんか最初からついてたみたいに違和感がない。

 あ。台ちゃんは、むしろ搬入のためとかではなく、この全然使われてなかったリュックを乗せるためにウチに来たのかもしれない……。
 そんなことをぼんやり考えながら、明日は二つをもう少し安定してくっつけるためのアタッチメント(帯?紐?)を作ろうと思った。
 なんか、やっぱり準備って楽しいね。作業終わらんけども。(やること多い金田一少年の事件簿の犯人みたいな心境。)


 


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