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迷い鳥追いかけて君
迷い鳥を探してください、というチラシがポストに入っていた。
飼い主は悲しんでいるという、心情がつづられていた。
家族同然に暮らしていた鳥が逃げ出して、帰ってこない。
そんなことは今までなかった。
きっと何かトラブルに巻き込まれているに違いない。
私は必ず助け出して、また元通り、一緒に暮らしたいだけなのだ。
か弱い飼い鳥、逃げ出した途端にカラスか何かに食べられてしまったのかもしれない。
けれど鳥にしてみれば、逃げ出した瞬間、今までにない感情が吹き出して何かを取り戻したような感覚になったのではないかとも思う。
しばらく後に、夕方の空を飛ぶセキセイインコを見た。
鋭く尖った嘴で、雲を突き刺して太陽に飲み込まれたように見えた。