運転するだけで気分は
車を運転する。
このすごいパワーの乗り物を動かす、という快楽だ。
僕らはこの乗り物を乗りこなし、いや、乗りこなせていないだろう。
まだまだこのポテンシャルを引き出していない。
だから、その力の一端を少し借りているだけであるし、別に悪いことではない。
走ってもせいぜい時速20キロぐらいだろう。
知らんけど。
微かにアクセルを踏めばすぐに20キロは超える。
最も簡単に。
持て余していないか?
ある時ふと思った、これは我らが生活にもたらす便利さを、持て余していないか?
持て余している。
明らかに、いきなり人が前に出てくれば轢き殺してしまう。
有無を言わず殺すだろう。
車は急に止まらない。
止めることができないものを、我が物顔で運転している。
大丈夫なのか?
大丈夫ではない。自覚すべきだろう。
だからと言って僕は車を捨てるわけではない。
これからも車に乗り続けるだろう。
いつか年老いて、目も見えにくく耳も聞こえにくくなったら、僕は車を捨てるだろう。その時まで。
ドライブが趣味の人がいる。
気持ちはわかる。
こんなにも大きな存在のものを動かせる快楽。
たまらないだろう。
けれど、と僕は思う。
もう少し自覚すべきだろう。
そんなにも強くないし、弱くもないから、車の力ぐらいはちゃんと認識して、その危険性とか、依存しすぎないように生活していくべきだ、と。
本来、自分の足で歩ける範囲で僕らは生活すべきなんだ。
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