ISSが流れる、君は手を
君が手を夜空に伸ばす、その流れ星には届かない。
けれど、また明日、同じ軌道でながれていくのだろう。
ISSはとんでもない速度で、地球の周りを流れていく。
多くの人の力で、そこにあって、これからも多くの人が見守るんだろうと思う。
僕はそう知っているけれど、きっと君は知らない。
飛行機の延長線みたいなもの位だと思っているに違いない。
それでいいと思う。
何も知らずに、でも手を伸ばすことが、素敵だと思った。
夜はまだ長いが、冬はもうすぐおわる。
別に冬が悪いわけではないけれど、何となく嬉しい。
と君は言った。
僕もそう思う、紛れもなく、思うのだ。
ホワイトデー、忘れててごめん、とは言わなかった。
それほど期待もしていないだろうし。
でも君がくれたチョコレートは、ウイスキーにもよくあって、とても美味しかったのだ。
贈り物を選ぶ才能、あるよきっと。
と、僕は君に、教えてあげたい。