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YUKIの下の街

雪の下に街があると言う、母はそう主張した。

主張して、それ以上の説明はしてくれない。
母のいつものやり口だった。雪の上に何もないが、下には街があると言う点にわかには信じがたいが、きっとあるのだろう。母が言うのだから間違いない。私たちは、そういうふうに幼い頃から教育を受けてきた。母の言う事は絶対。

いつか私が、不思議な話をしてと言われたときに、雪の下の街の話をしよう。

そこで暮らす人々は、あるいは人類などではないかもしれない、特殊な能力を持つ人がそこで暮らしているのかもしれない。

そして、彼ら、あるいは彼女らは、雪の下にいて、じっとじっと我慢して、やがて雪の上に出る日を夢見ているのかもしれない。

雪の下で音楽を聴いて、土曜日だったらパンケーキを焼いて、なかなか充実した暮らしが続いているのかもしれない。

むしろ、私たちと同じように、そこにはそこの生活があって、かけがえのない日々を送っている。

そうに違いない。

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