Girls in the City

彼女が歩いているのは小さな街で、僕はそれを空から見ている。

空と言うのは、文字通り彼女の斜め右上、そこから彼女が歩いているのを見ている。

お前は誰だと問われればその辺にいる鳥だと答える。

つまり僕は彼女は見下ろしてほとんど平行に飛んでいる鳥である。

彼女はそれほど早くなく、しかし遅くもなく、僕のペースと同じ位のペースで飛んで歩いている。

だから僕は自然に、彼女のペースに合わせて飛ぶようになって、彼女が歩いている街を見下ろしている。

どうして彼女を見ているのか、僕は自分の感情を正しく理解していない。

彼女はどこへ行くのか、どうして歩いているのか、彼女の名前は何なのか知りたくもあるし、知る必要もないとも思える。

ただ今彼女はこの街を歩いていて、僕はそれを空から見ている。

もうすぐ夕方になり、彼女は家に帰るのかもしれない。

そこでもうすぐ夕方になり、彼女は家に帰るのかもしれない。

そこで彼女は夕食を食べるのか、すぐにシャワーを浴びて、テレビやSNSなどリラックスした時間に女の子がするようなことをするのかもしれない。

僕はその生活を見ることはできないが、少なくとも今彼女について飛んでいる。

その状態がどうして、幸せなのか、僕にはよくわからない。

けれど、そんなことどうでもよくて、彼女と平行に飛べたということが、今日の僕の成果だ。