ぺろりんceo
一億総ぺろりんちょである。
国民はぺろりんちょによって支配されている。
もうぺろりんちょを持っていない国民はまともな日常生活が送れない。
ぺろりんちょがない、と右往左往している国民が街に溢れている。
こうなったら、ぺろりんちょを支給しよう、と言うことになる。
支給すれば平等にぺろりんちょを摂取できる。
そこに格差は生じない。
けれどそれが実現することはない。
大きな資本が存在するからである。
ぺろりんちょにより大きな富を得たものが、それを許さない。
富により、政界に幅広く影響力を持っている。
何もかも個人責任、と言うことになる。
そこで生じたぺろりんちょ格差はどうやって埋めるつもりですか、と糾弾するジャーナリズム。それも見越した上の政策よ、と政府は余裕の表情である。
そのうち、模造品ぺろりんちょだらけになって、別にこれでも何の問題もないか、と国民は気づきはじめる。
正規のぺろりんちょだけが質も良く、しっかりキマるわけではない。
粗悪品のぺろりんちょだって、この国では質の高いものが出回っている。
模造品、ジェネリック、そして正規のぺろりんちょ。
もう、どれがどれかなんて、全然わからない。
だからどれでもよかったんだ。
そうして人々はぺろりんちょに飽きていく。
あれは何だったんだ、という存在になるまですぐだ。
やがて懐かしのぺろりんちょを今日は使ってみましょう、と料理研究家の腕が鳴る。