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パパさんの短歌その三、愛するということ


①節分の
 豆巻きさえも
 しなくなり
 居座る鬼も
 さぞ寂しかろ

②立つ鳥は
 跡を濁さず
 言うけれど
 どうせ行くなら
 跡を残さん

③ 冬空に
 ほのかに匂う
 蝋梅(ロウバイ)の
 花はいずこと
 探すも見えず

④失明に
 鏡を見るも
 なくなれば
 ヒゲ剃ることも
 忘れてしまう

⑤降る雪の
 白さも見えぬ
 この目では
 寒いだけなる
 冬景色かな


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去年の12月に他界した、パパさん(主人)が
令和4年の2月に詠んだ短歌です。
最近、Book offで買った、aikoの、
『時のシルエット』(2012年)のアルバムに入っている『ずっと』という曲を聴くと、
なぜか彼のことを思い出します。

aikoの歌声は儚げだけど、力強さを併せ持ってる

(優しく笑う向こうに絶望があったとしたら、
全部あたしにください/それでも平気だから)
という歌詞は、
何度聴いても、泣けてきます。
相手の絶望も全部、引き受けるなんて、
そんなこと、絶対にムリなんだけど、
でも、人を愛するって、究極的に言えば、
そういう覚悟が、必要なのかなぁ。
 って、いまはそう思います。

相手が追い詰められれば、追い詰められるほど、こっちも逃げ出したくなるけれど、
でも、最後にはやっぱり、見捨てられない。
手を差し伸ばさずにはいられない。
絶望をイヤというほど教えてくれたのは、
あなたでした。その中に、希望とは、ほど遠い小さな見えるか、見えないかの光りを教えてくれたのも、あなたでした。
そんな人ズルいよなぁ、って思うけれどね☺️私の愛した人は、そんな人でした🥹

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