宮仕え
1 宮中に仕えること。宮廷に出仕すること。
2 官庁・会社などに勤めること。「宮仕えするのも楽じゃない」「すまじきものは宮仕え」
3 貴人に仕えること。
「―する人々の出で集まりて、おのが君々の御ことめできこえ」〈枕・三〇三〉
4 目上の人の身のまわりの世話をすること。給仕をすること。
「誰かある、罷まかり出でて御僧に―申し候へ」〈謡・朝長〉
某県の百条委員会をみていて、
「宮仕え」というコトバを思い出した。
要は、雇われていて、目上に仕えるのはタイヘンだということだ。
また、ことわざのようなものだとおもうが、「すさまじきは宮仕え」というコトバもある。
仰せの通りだ。
『サピエンス全史』を僕は読んだことはないが、人間が類人猿や旧人を凌駕できたのは、フィクションを信じる力が備わったからだそうだ。
国家、社会、組織、家族、法令のような制度文化は、とても強い拘束力をもっているが、どこかでみんな「フィクション」であるとわかっているところがある。
世界中に「独裁者」だの「暴君」という存在がいるが、彼らは自分が実質的に「貴人」であると勘違いしてしまうことが多々あり、それゆえに自分が単なる「フィクション」であり「機関」でしかないという事実を認めることができなくなってしまっているのであろう。
「暴君」を抱く組織に仕える者は不幸である。また、選挙の洗礼を受けているはずなのに、リーダーシップに欠けるトップを抱く組織も不幸である。
こうなると、社会のなかで一体誰が不幸から逃れられるのだろうかということに思い至る。
おそらく、「フィクション」だと割りきって、冷静に組織から距離を置いている者が得られる境地なのだろう。
何事も、過ぎたるは及ばざる如し ということなのだろう。