空想党宣言⑩(使う阿呆、納める阿呆)
(このお話は空想です)
国民の三大義務だといわれる
教育、勤労、納税。
義務を数十年コツコツ果たしてきた一国民だが、今日は少し酔ったみたい……。
ニュースをみていたら、会見で記者を「馬鹿野郎」と罵っていた人がいた。
国家指導者だと思っていたが、やはり実際は選挙区の代表者だったのだ。
テレビ視聴者は、馬鹿なのか?
たしかに一理あるが。
田舎の数万人の岩盤支持者が、都会の働きアリ数百万人の稼ぎを掠め取る酷い仕組み……。
オリンピックに三兆円。
万博に○兆円。
リニアに○兆円。
人口減にもかかわらず、スタジアムは立派になり、バイパス道路が増えていく。
空港ができ、新幹線の駅ができ、高速道路もできた。何かよくなった?
税を都会からぶんどったはずの田舎だったが、商店街はすたれ、地元のスーパーは潰れ、ガソリンスタンドさえなくなろうとしている。
いくら税を注ぎ込もうと、経済原則で動く大手スーパー、家電量販店、レンタルビデオ店はいつ間にか田舎からはいなくなる。
借金を後世に残し、いつまでたっても発展しない新幹線の駅前に選挙区の代表者の銅像だけが残る。
いくら税を納めても、税に群がるズルい人達に使われるだけ。一体何のために働いているのかわからなくなる。やはりオレは社畜だったのだ………。
酒税は痛いが、酒でも飲むしかなさそうです。
今日はこんなお酒はいかがでしょうか。