ときどき聴きたい歌②「歩兵の本領」と「聞け万国の労働者」
遠い昔の歌のお話です。
軍歌、労働歌のジャンルになるかもしれないですが、思想的な話しではないので大丈夫です。
どちらも、人々を「鼓舞」したり、「団結」させるために作られ、なぜか昔の人々にウケ、長い月日を越えて未だに歌いつがれている歌です。
軍艦マーチが、私が子供の頃のパチンコ屋でかかっていたのと同じようなイメージでよろしいのかと思います。
「突撃」とか、「攻勢」という積極的な気分にさせる歌のことです。
「宇宙戦艦ヤマト」とか「バックトゥザフューチャー」などを聞くと気分が高揚するのとおんなじ理屈でしょうか。
まず、「歩兵の本領」です。
1899年に作曲された軍歌がベースで、1911年(明治44年)に陸軍幼年学校の生徒が作詞をのせた後に、全国に広がっていったみたいです。
歌詞は戦前なので漢文調ですが、意味はある程度わかります。
よくよく読むと、現代の戦争と歌詞の内容は、相当かけはなれていることに気がつきます。
実際の戦争は、いま欧州でやられているとおり、要塞化された場所を巡る持久·争奪戦になります。
歩兵を「肉弾」といい、「前進前進又前進」と鼓舞する歌詞は、旧時代的ですが真実を表しています。悲しいことですが、歩兵の任務は、「肉弾」であったり、「肉盾」であるわけです。
大義のある任務、たとえば侵略国と戦うときにはこの歌を聞いて、自身を鼓舞するのでありましょう。。
次に「聞け万国の労働者」です。
1922年の第3回メーデーで発表された歌らしいです。1899年に作曲された軍歌の旋律は、「歩兵の本領」だけでなく、旧制高校などの校歌や応援歌に利用されており、著作権法なども緩かったのでしょう。
いい曲なので、メーデーの時の行進曲として使ったみたいです。
よくよく読むと、こちらは民主主義国では今でもあたりまえとされている内容が多いのではないでしょうか。
休業(ストライキ)や示威行進(デモ行進)は労働者の権利として西欧では当たり前に認められています。
ただ、一部の歌詞(旗を掲げるなど)については、現代の感覚とかけはなれていることにも気がつきます。
誤解を恐れずに言えば、もしタイムマシンで時代をさかのぼり、数十万の人々が歌う「メーデー歌」や、数万の兵士が歌う「歩兵の本領」を耳にした時に、
心を動かされることはない
などということはないのではないかということです。
スポーツ以外で、なにか数十万の人々が声を合わせて歌う、
一体どんなシチュエーションなんだろう。。
そんなことを散歩しながら思いました。
あ❗侍ジャパンを応援しましょう。
どちらの歌が宜しいでしょうか。。