ゲーム「Stardew Valley(スターデューバレー)」感想
牧場物語シリーズのファンである自分が、スターデューバレーにハマりました。
……今。2023年の今です。
今更感はありますが、「2023年にスターデューバレーにハマった人間のレビュー」は逆に価値があると思い、ここに記録します。switch版を購入しました。
スターデューバレーに今まで手を出さなかった理由と、プレイ後の心境変化
まず、ここまでヒットしてる本作を、自分が今までプレイしなかった理由は以下の通り
洋ゲーに苦手意識があった
マイクラ体験版で挫折した経験から一度も洋ゲーを買ったことがない
住民の顔グラフィックが微妙だった
牧場物語は誰と結婚するかも重要なので……
台詞まわしに魅力を感じなかった
ニューホライズンみたいな直訳台詞が耐えられそうになかった
・・・慣れるので大丈夫。
初めて洋ゲーを購入し、ハマりました。
洋ゲーアレルギーを克服できたことが衝撃だったので、本作の良かったところを書きとめておきます。
スターデューバレーの良いところ
「積みあげる楽しさ」がある
作物を育てて、動物を育てて、鉱石を掘って、魚を釣って、そして成果物を出荷する。
毎日同じことを繰り返すことで、少しずつ牧場が便利に発展していく。
そういった本家「牧場物語」と共通する「作業を積み上げる楽しさ」が本作にもしっかり表現されていて、牧場経営ゲームの楽しさの軸をよく理解してくれていると感じた。
細かく報酬を出す
積みあげる楽しさとは、単調な作業の繰り返しである。楽しいが、単調すぎるとプレイヤーが飽きてしまう。
本作は積みあげる作業に対して、細かく報酬を出すことでゲームに飽きづらくなる工夫をしている。そして、まめに報酬がもらえるので「いろいろやってみよう!」とプレイヤーに前のめりにプレイしてもらえるよう上手く誘導しているとも感じる。
短い目標を設ける
プレイヤーに何を目指していいかを提示し、「何をすればいいかわからない」を防いでいる。
先ほど述べた「細かく報酬を出す」と「短い目標を設ける」のコンボで短期間にゲーム内に変化が起こり続けるので、いわゆる「やめ時がわからない」状態になる。
効果音が気持ちいい
………未プレイの人間には何を言ってるかわからねえと思うが!効果音が!気持ちいい!!
しかも同じ動作の効果音に対して複数あると思う。バンドル納品の音とか、一度に二箇所以上納品するとドレミの音階みたいに違う音鳴るような…採取の音も連続して行うと音が違う。
この「効果音がいい」の何が魅力かというと、単調な作業が多いゲームにおいて効果音をこだわることで、プレイヤーを飽きさせにくいというメリットがあると思う。
どうしても牧場経営ゲームは毎日同じことの繰り返しで発展させていくので、繰り返す作業をどれだけしらけさせないかが大事。
二択でプレイヤーに決めさせる
・ペットは犬か猫か
・公民館を地道に建て直すか、金で解決するか
・敷地内の洞窟を、フルーツかキノコどちらの採取場にするか
・主人公のスキル特化技能をどちらにするか
たびたび二択をせまり、プレイヤーに選ばせる。そして能動的にゲームをプレイさせる。
住民イベントが起こりやすい
住民の好感度を上げると発生する交流イベント、本家より発生させやすく感じる。ノーヒントでもただプレイしているだけでかなりイベントが起こる。
イベント発生の時間帯が広くとってあることと、ドットなので「マップの切り替えが少ない」ため町内イベントなら町のどこかに入ったらイベントが発生する、という条件に設定して住民イベントに遭遇しやすくしているのではないかと思った。
攻略対象以外とも好感度を上げる理由がある
住民の好感度を上げると住民イベントが発生するほか、手紙にアイテムやレシピが同封されて送られてくる。結婚対象キャラ以外の好感度を上げることにもメリットを持たせることで、住民全員と交流する行動に理由を持たせている。プレイヤーにゲームをやり込むように誘導する導線が上手く張り巡らされている。
住民のバックボーンに奥行きがある
住民のセリフが直訳すぎてニューホライズンか?と最初は冷めていたが、セリフの内容自体は深いなと思う。テンプレキャラセリフみたいなのではなくて、キャラそれぞれにバックボーンがしっかりあって、それに沿った内容をしゃべっている。
そしてセリフで全て説明せず、住民の部屋の家具などを調べた際のテキストで、「親の死」など住民たちの抱える問題を明かす仕組みになっていて粋だなと思う。
好感度をある程度あげないと住民の部屋には入れないので、第一印象から捉え方が変わる住民もいたりして面白かった。
住民のキャラ造形に奥行きを持たせることで、単調になりがちな牧場経営ゲームに飽きづらくなっていると感じる。
一つの季節が短めでテンポがいい
春夏秋冬、それぞれ28日で終わる。本家牧場物語は30日なので、最初は慣れないと思ったがこれはめちゃめちゃ英断!!テンポよく一年がすぎるのでサクサクプレイできる。
本作はテンポの良さも売りなのだと思う。ドット絵なのでマップ切り替え時にロードもなく、一年は短めで本当にプレイしやすい。
本家「牧場物語」の面白さをリスペクトしている
ってめちゃめちゃ本家リスペクトの流れで感動した。わかってらっしゃる。このゲームスピードがちょうどいいんだよな。
特にPS「牧場物語 ハーベストムーン」を思い出すような作品だと思う。
魚の養殖、行商人、コロボックル(妖精)などがいるファンタジー要素、テレビ番組や図書館で作中の攻略情報を得られる仕様、そして住民の一見明るくて実はちょっと仄暗い感じとか。ヘイリーはカレンとポプリ合体したような概念に思えるし(笑)
ハーベストムーンが本家で1番好きなので、そのDNAを受け継ぐように感じる作品が登場して本当に嬉しく感じる。
本当に製作者が、「牧場物語のゲームデザインってやっぱり面白いよな!!」と確信を持って本作を作っている感じがたまらなく嬉しかったし、牧場物語ファンとして「やっぱそうだよな!!?」と本家の良さを再確認できるような体験ができて満足感があった。
そして作者独自のシステムとして、スキル特化技能やクラフトなどもあってオリジナリティも感じてとても良かった。原作愛と独自性をどちらも感じる魅力あるゲームでした。