2023/12/05の日経を読んで
会社と社員の力関係が変わってきた。人手不足や転職の増加で主導権が従業員に移り、若手や中堅は職場環境が良くても成長機会の乏しい組織に背を向ける。資本市場も人材を育てられる企業に投資を絞り始めた。社員の自立が企業に新たな生き残りの条件を突きつける。本日の日経の記事を要約すると共に所感を述べたい。
社員は生活の安定と引き換えに、異動や処遇で会社の「支配」を受け入れてきたが、若手や中堅が会社に求めるのは安定よりも自分の成長に変わった。
タイパの象徴が大企業から新興企業への転職である。
エン・ジャパンの34歳以下を対象とした転職支援サービスでは4~9月に大手から新興に転じた人が5年前の18倍になった。
年齢に関係なく大きな仕事を任され、速く成長できるとして若手が引き寄せられている。
我々の親世代や、その前の世代は大企業に入れば一生安泰と言われた時代だろう。今や大企業でも平気でリストラをするし、働かないおじさんには厳しい。私も大企業に勤めているが、一生安泰とは思ったことはない。早期退職者を募っていたし、ジョブ型に移行したし、本当に使えて必要な人間しかいらないのだ。それは経営者目線に立ったとしても当然だろうと思う。働くもの食うべからずである。
記事にある様な成長を望んでのタイパ転職はトレードオフであるが、チャレンジ精神旺盛な血気盛んな人以外は、無理に大企業を辞めるべきではないと思う。20代で管理職はまだほんの一握りだが、無理にベンチャーや起業という薔薇の道に進まなくてもいいだろう。大企業に所属して、大企業で圧倒的な成果を出して役職に就くことが、最も効率的だと思う。
ベンチャーや新興企業に転職したら、一時的には給料は上がるかもしれないが、福利厚生が劣悪だったり、休日出勤もざらだったりするかもしれない。そこまでして、成長したいからと言った理由で大企業を辞める必要はないだろう。大企業で上へ上へ目指すのがベストだと思う。