新防衛3文書の要約
政府は16日に防衛3文書を閣議決定した。反撃能力の保有など安保政策の転換となる。防衛費をGDP比で2%に倍増する方針も打ち出した。防衛の目標と達成手段を定める「国家防衛戦略」や装備体制などを盛り込んだ「防衛力整備計画」を含めた改訂の要約をしたい。
国家安全保障戦略
戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している。本戦略に基づく指針と施策は日本の安保政策を実践面から大きく転換するものとなる
インド太平洋地域において、この地域の平和と安定を確保することは死活的に重要
中国はロシアとの戦略的な連携を強化しており、国際秩序への挑戦を試みている
北朝鮮は一層重大かつ差し迫った脅威である
ロシアは中国との戦略的な連携と相まって安保上の強い懸念である
国家防衛戦略
現有装備品を最大限有効活用するため、稼働率向上や弾薬燃料の確保、防衛施設の強靭化への投資を加速させること(最優先課題)
スタンドオフ防衛能力が抑止の鍵を握る
反撃能力とは、必要最小限度の自衛の措置として相手の領域において有効な反撃を加えることを可能とする能力
宇サ電の領域横断作戦を円滑に実施するための取り組みを日米で一層深化させる必要がある
27年度までにスタンドオフミサイルの運用可能な能力を強化する
陸海空自衛隊の一元的な指揮を行い得る常設の統合司令部を創設する
防衛力整備計画
スタンドオフミサイルの量産弾を取得し、トマホークなどの着実な導入を実施継続する
陸上自衛隊通信学校を陸上自衛隊システム通信サイバー学校に改編する
陸自の作戦基本部隊は南西地域の防衛体制を強化するため、第15旅団を師団に改編する
35年度までに英国、イタリアと次期戦の共同開発を推進する
航空自衛隊を航空宇宙自衛隊とする
防衛省内の業務上の手続きや契約方式を柔軟に見直し、防衛産業の障害を減らす
防衛装備品の販路拡大を通じた防衛産業の成長性の確保のために、基金を創設し、企業支援を行う
23-27年度の防衛予算を43兆程度とする