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生命の謎に迫る 遺伝子数473個の最小人工生命体 syn3.0

ビットコインの次に挑むのは生命の起源です。応援よろしくお願いします。


生命の起源シリーズを始めようかな

 昨日までビットコインシリーズの記事を書き続けてきましたが、連続投稿30日で残りテーマがなくなってきた。残るは「NFTとかWeb3.0の話題かな~」とぼんやり考えていると、「次は生命の起源シリーズかな~」と浮かんできた。
 「ビットコインシリーズに比べて読者の応援が少なかったら途中でやめても良いかな~」と思いながらも、とにかく始めてみます。
 全体構想はまだですが、様々な方面から生命の起源の謎を求め始めるところを入り口にします。最新の研究成果に近づいて、更に先を求めようとするところをエンディングにしようかなとイメージしています。書きながら研究の入り口から最新研究成果までのテーマを埋めていこうと考えています。

クレイグ・ベンター

 最初の入り口はこの人のニュースからです。前世紀末の話になりますが、前に勤めていたIT企業の社長がバイオに関心を持ち始め、来日した彼に会ったことがありました。これが私にとってこの分野に関心を持ち始めた切っ掛けになりました。
 20世紀末の2000.6.26、ヒトゲノムの解読完了のニュースが発せられました。このニュースの主人公がクレイグ・ベンターでした。今では2003.4に解読が完了したとされていますが、それでもまだ未解読の部分が残っているようです。この解読競争はクリントン大統領も関与するとてもドラマチックなものでした。

最小の人工生命の開発に成功した

 その記憶が私の中から消えた頃、2010.5 BBC Newsで再び彼の名を思い出すことになりました。「アメリカの科学者らは人工DNAによって完全に制御される最初の生細胞を開発することに成功した」というのです。詳細は、後にNatureダイジェストで「最小遺伝子の人工生命」と称して詳しく説明されています。
 彼が最終的に作成したその生命体はJCVI-syn3.0と呼ばれ、53万1000塩基、473個遺伝子です。今では以下のように、日本でも生命の基本研究などで多くの研究者に使われている重要な実験用生物です。
たんぱく2種あれば泳ぎ出す 自ら動く「最小の生命体」作製に成功
ウレアプラズマによる宿主細胞死の回避―気配を消す流早産原因菌の戦略

勉強会補足資料

syn3.0の生い立ち

 この生命体は完全にゼロから作ったものではありません。既存生命体から遺伝子を一つずつそぎ落とし、生きているかどうかを確認しながらまたひとつそぎ落とすというやり方で作られたものであり、機能が分かっているわけではありません。
 つまり、これ以上の遺伝子をそぎ落とすと生きていることができない生命体なのです。この機能不明遺伝子を調べるだけでも生命の起源の謎に近づけることになります。
 具体的には、syn3.0は、マイコプラズマという肺炎細菌と酵母から作られました。酵母のDNA断片を整列させ、複製し、そのゲノムをマイコプラズマの細胞に注入して作成したそうです。

生命の起源に迫る

 著名な物理学者リチャード・ファインマンは、『自分に作れないものを理解できるわけがない』という言葉を残しています。
 この言葉通り、彼はゼロからDNAを設計し、生命を作り出したかったようですが、途中から方針転換し、既存の生物から部品をそぎ取る方法に方針転換したようです。
 syn3.0に手を加えて何が起きるか見る研究が行われています。そこで見られる現象は、生命の起源の手がかりになる可能性があると思います。

 生命の謎を明かにするために、こんなアプローチがあるのですね。彼はベンチャー精神旺盛な研究者だと思います。しかし、もうお年なので、今後の研究は難しいと思いますが、多くの研究者の後押しすることはできるはず。
全ての人の謎「生命とは」の「知りたい」に貢献を頑張って欲しい。


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