生命の起源 DNAでもRNAでもない第3のXNAを知っていますか?
始めに
市橋先生から「最初の自己複製体はRNAではない可能性も大いにあります(実は私も最初はRNAではないと思っています)」と驚愕のコメントです。
生命の起源の説明で最も有力なノーベル賞のRNAワールド仮説を書き換えるかもしれないとの意味になりませんか?
密かに研究している重要機密をここに漏らしていいのですか?
先生のコメントは更に学ぶためのヒントに溢れています。
DNAでもRNAでもない核酸とは
最初に図を見てみましょう。
先の記事で書いた鎖の部分がRNAでもDNAでもない、第3の構造です。
分かり易い説明がありました。
企業にとっては、創薬の効率化です。
コロナワクチンはRNAを活用することで効率よく生産できました。
同様にもっと効率よくワクチンなどを創薬しようと言う狙いです。
このようなRNAやDNAの限界を超えるために人工的に作られた核酸です。
安定性と分解:
RNAやDNAは生体内で分解されやすいため、効果的な治療薬としては不十分でした。
人工核酸は、修飾技術を用いて分解を防ぐことができます。例えば、リボースの修飾やリポ核酸(LNA)の導入により、安定性を向上させています。
細胞内への送達:
RNAやDNAは細胞膜を通過するのが難しいため、効果的に細胞内に送達することができませんでした。
人工核酸は、キャリアやナノ粒子を用いて細胞内へ送達されます。これにより、標的細胞に遺伝子治療薬を届けることができます。
特異性と標的性:
既存のRNAやDNAは、特定の遺伝子やタンパク質に対して十分な特異性を持たないことがあります。
人工核酸は、特定の遺伝子やmRNAに対して高い特異性を持つことができます。これにより、標的となる遺伝子を選択的に制御できます。
遺伝子発現の調節:
既存のRNAやDNAは、遺伝子発現を調節するのに限られた方法しか提供していませんでした。
人工核酸は、遺伝子発現を抑制するASOやsiRNA、miRNAを活用して、病態の改善を図ります。
Pre-RNAワールド仮説
市橋先生のコメントを図示するとこのようになります。
先生オリジナルではないようです。
RNAワールドの前にPre-RNAワールドがあると言う仮説です。
より単純な構造を持つ原始核酸(XNA)が存在していたという考えです。
この原始核酸は、RNAよりも化学的に単純で安定しています。
地球環境下で合成されやすかったとされています。
その後、原始核酸がRNAと出会い、RNAワールドに移行したとの仮説です。
まとめ
ノーベル賞でRNAワールド説は最有力と思っていたのですが、先生からのコメントで問題が多いことがわかりました。
その問題解決のため、Pre-RNAワールドも考えていらっしゃるようです。
RNAワールドが有力仮説になるためにはこの研究の進展も必要なようです。
今後も先生の発表される研究成果は見逃せません。
ご紹介の本を読んでから書くつもりが、Amazonから未着です。
フライングかも知れませんが、この記事を投稿することにします。
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