生命の起源 地球で生命が誕生した確率は1である
初めに
地球で生命が誕生する可能性のある期間は40億年~38億年前です。
40億年以前は地球環境が過酷で生命は生きられません。
こんなわずか2億年の間に生命が誕生したのでしょうか?
「地球外からやってきた生命が地球で進化したのではないか?」
このような可能性を追い始めました。
多くの人たち(NASAなど)がAstro Biorogyを誕生させ、研究を始めました。
多くの人が見たこともない地球外生命を「きっといる」と信じ、
宇宙探査衛星は例外なく目的の一つに生命の痕跡の発見をあげ、
隕石や彗星(いとかわ、リュウグウなど)からたんぱく質を検出し、
太陽系外に地球と似た多くの惑星を見つけました。
ある日突然「地球で生命が誕生した確率は100%」と思うようになりました。
「地球で生命が誕生した確率は1だ」の根拠
表題の仮説を思いついたのは「宇宙になぜ生命があるのか」という本です。
宇宙物理学者の戸谷教授が書いた生命の起源に関する考察です。
この本の元となったのがこの2020.2の論文です。
この論文の1年後、2023.6市橋先生が論文で「20ヌクレオチドの自己複製RNAを特定した」と発表されたのです。
その一部の引用です。
戸谷先生の「1minが20ヌクレオチドより短ければ地球での非生物的生成確率が1に近づく」に該当する自己複製RNAを発見したと言っているのです。
両論文が正しければ「地球で生命が誕生した確率は1だ」の意味です。
地球物理学者と生物学者はお互いのことを理解するのが難しいようです。
原始生命が誕生する可能性
戸谷先生によれば、
「原始生命体の発生」より「ビッグバンによる宇宙の始り」の方がよほど詳しくわかっている。
宇宙物理学は理論を研究していると、銀河ができて星ができて地球ができると説明ができるが、「生命ができる」とは説明できない。
すなわち「宇宙に生命が宿るなんてありえない」とおっしゃっている。
宇宙のすべてを説明したい宇宙物理学が生命の始りは説明できない。
何で生物のようなものが宇宙にあるのかわからない。
地球規模で計算しても、宇宙規模で計算しても生命発生の答えが出ない。
だから、宇宙での他の現象に比べて、生命の誕生は理解できない。
それならと、もっと広い拡大宇宙規模で計算してやっと可能になる。
原始生命誕生の確率の計算
戸谷教授の計算は「生命の起源物質」の自然発生確率を求めるものです。
生命の起源物質とは「自己複製RNA」です。
自己複製RNAが何度も自己複製するうちに進化して、その過程で原始生命体が生まれた、と仮定しています。
その最初の「自己複製RNA」が偶然に発生する確率を計算するのです。
その確率は非常に低く、地球規模で計算しても、宇宙規模で計算しても生命が発生するという答えが出ない、というものです。
宇宙規模とは我々が観測できる138億光年の範囲です。
だから、宇宙での現象に比べて、生命の誕生は理解できない。
それならと、もっと広い拡大宇宙規模で計算してやっと可能になるのです。
戸谷教授は以上の趣旨を茂木先生と話し合っています。
このYoutubeでは「一番簡単なRNAでも100とか1000とかの情報を持っていて・・・」と、とても大きなRNAを考えていらっしゃる。
そんな大きなRNAが自然発生するなんて不自然です。
先生の例えでは「10の100乗匹のチンパンジーが一斉にKBを叩くと、その1つが確率的にシェークスピアの文章になる」計算になるのです。
自己複製RNAとは
私の知る一番短い自己複製RNAとは以下です。
この図はRNAが自己複製するメカニズムの説明です。
非常に短いRNAで、わずか20塩基です。
短いランダムなRNA集団をマグネシウムイオン濃度が高い環境に数日間さらすだけでこの20塩基の自己複製RNAができたと論文で報告されています。
すなわち、戸谷先生の問題は拡大宇宙規模でも宇宙規模でもなく、地球規模以下の実験室規模の問題なのです。
今や、論文を読んでそのとおりにやれば誰でもできてしまうのです。
ということは、地球で生命が発生しても不思議ではないことになります。
市橋先生の論文の一部の引用です。
上の「自己複製RNAがどのように生まれたかを説明できない」は、戸谷先生の「どのように計算しても生命が発生するという答えが出ない」と同じ意味です。
すなわち、市橋先生の論文は戸谷先生の問題の答えなのです。
戸谷先生がこの論文を発表されたのが2022年、市橋先生の論文は2023年、正にこれが答えですと答えるかのようなタイミングです。
終わりに
「生命の起源を知りたい」というのは、「宇宙がどうなっているか知りたい」と思うのと同じくらい知りたい謎です。
この記事は私の仮説であり、正しさは証明されていません。
戸谷先生の疑問の答えが市橋先生の論文なら「地球で生命が宿った確率は1」となります。
この記事がこの研究に貢献できるかもという期待しています。
私も死ぬ前に「手がかりが得られた」というニュースを聞けたなら嬉しい。
戸谷先生、一谷先生、この記事を読んでいただけたら幸いです。
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