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ライン随想録 ロンドン・ヒースロー空港
1997/8/10 ライン随想録 スイス・バーゼルレポートより
随想録
最近航空荷物が遅く配達されたり、なくしたりした経験のあるかたおられませんか?
QE2航海後、ニューヨークでの諸行事を終え、8月3日発、ニユーヨーク・ニューワーク空港から、ロンドン・ヒースロー空港経由、スイス・バーゼル空港まで帰ってきたが、ニューヨークでチェックインした3個口の荷物のうち、茶のスーツケースが一個出てこない。
早速、空港の遺失物係に行き、該当タッグ・ナンバーを示して、必要事項を記録し、調査を依頼して家にかえって来た。
紛失に気がついたのは、8月4日、午前11時半ころ、バーゼル空港であったが、結局、家までとどけられたのは、翌8月5日の午後8時ごろで、空港から自宅まで電話連絡があり、その直後タクシーで配送された。
結局、スーツケースは無事とどけられて、実害はなかったし、それほどの問題はなかったが、翌6日オフィスに行き、仲間と話してみると、ロンドン・ヒースロー空港の乗り継ぎ便・荷物処理は最近トラブルが多いというはなしであった。
なかには、荷物の一部を抜き取られるという被害に遭った人もいたと言う。
うすうす、こうした話は聞いていたので、NY・JFケネディー空港、ロンドン・ヒースロー空港、パリ・シャルル・ドゴール空港のような大きな混雑する空港はできれば、乗り継ぎ空港としては避けるようにしている。
アムステルダム・スキポール空港や、チューリッヒ・クローテン空港のように、やや規模が小さく、混雑の度合いが低いところのほうが、確実のような印象をもっている。
今回の場合、ノルウェーのQE2・大西洋横断委員会が帰りの航空券の手配をしてくれ、ロンドン・ヒースロー空港乗り継ぎは選択の余地がなかった。
しかし、状況を良く見てみると、この程度の航空荷物の乗り継ぎ時・遅配はかなり頻繁に起こっているものらしい。
英国航空・BAの機内で読んでいた新聞によると、前日の8月2日、ヒースローでは、コンピュータの故障のため、多くの旅行客が荷物の遅配により荷物なしに家に帰らざるを得ないケースが続出していたと言う。
また、NY・ニューワーク空港のチェックイン時には、ヒースローの乗り継ぎ時間が一時間半しかないと見ると、荷 物に“Transfer to Terminal 1 -SHORT" という特別のタッグをわたしの すべての荷物につけていた。
遅配が予想されるので、警告をしていたものであろう。
また、バーゼル空港で「遺失物係り・Lost and Found」 に行ったときも、係員が「またヒースローか」と顔をしかめていたのを思い出す。
遺失物のオフィスではわたしの後ろに7-8人の人が並んでいたので、みな遅配にこまっていたらしい。
乗り継ぎでなく、ヒースロー始発・終着ではさほど問題はないと言う。
また、荷物の多くない人は、機内持ち込みだけで、荷物をチェックインしない人も多いようだ。
2-3日で、次から次へと移動するようなビジネスの人などは、機内持ち込みだけで移動することが正解であろう。
わたしの場合、過去3回も荷物・遅配の経験があるため、タッグはオフィスと自宅の住所・電話番号、それにIAPA(International Airline Passengers Association) のものがつけてあり、紛失しても連絡が取り易いように工夫がしてある。
それに、空港のチェックインのときには、航空会社の宛先用タッグがしっかりとつけてあるか、間違いがないか再確認するようにしている。
このため、荷物がでてこないときでも、なくなることはあるまいと信じている。
しかし、チェックイン用・航空荷物のパッキングのときには、紛失・遅配を前提に、大事なもの、高価のものは決していれないという配慮が必要のようだ。
とくに、撮影後の「フィルム」は確実に手荷物に入れるべき物と思う。
また、亡くなると困るような使い勝手の良いものは、家においておき、旅行中はやや不便でも第二、第三くらいのクラスのものをもっていくのが良いようだ。
今回のわたしの場合、QE2の船旅ということで、やや荷物が多かったが、通常は “Travel Light" ということで、荷物は少なく、身軽に、必要なものは現地で調達、というのが、楽しい旅の知恵というように思えてならない。
老齢プログラマの所感
「またヒースローか」とヒースロー空港は不信感が大きいようですね。
私は乱雑に扱われたせいか、スーツケースが壊れかけたことがあります。
だが、日本でこのような経験はありません。
空港による違いは、そこで働く人の違いだと言って間違いはないでしょう。
中の人ではないので、その原因まではわかりようがありません。
井浦さんは3度もあったので、経験に基づく対抗策ができているようです。
災害対策も同じことが言えるのでしょうか。
台風や地震に対しては、荷物と違って発生を抑えることができません。
各地で被害が発生し、対策も報道で詳しく知らされています。
しかし、実際に起きてみないと実感が伴いません。
実際に起きると、準備万端な人と、ほとんど対策していない人の差が大きいように思います。
補足
上の記事は1997年頃の「ライン随想録(井浦幸雄さん)」の復刻版です。
当時、私の故郷の住職の遺作「おふくろの味」を井浦さんがWebに載せて下さり、今は住職の息子によって公開されています。
当時、このようにお世話になったことを思い出し、復刻していました。
ある日突然、「ライン随想録」の目次が検索で見つかるようになりました。
しかし、ここから記事へのリンクが途切れています。
これが理由で、今まで検索しても表示されなかったのかもしれません。
そのため、復刻作業は今までどおり続けることにします。
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