インターネットと私 (その2) 電子メール
ライン随想録 1996年11月10日 井浦幸雄 スイス・バーゼル
パソコン通信の機能の内、もっとも大切なもののうちの一つが電子メールないしE. メールであろう。
企業内のLANで諸連絡、案内、 報告、 相談が、 E. メールで交わされ、事務部門の生産性向上に役たっている事はよく知られている。
出張報告、 会議のフィードバック、あるいは、クラブ活動の案内、 など福利厚生面の連絡、案内などにも頻繁に使われているようだ。
大勢の人に対する一斉放送機能、コピー送信機能、 返信要求機能、送信者による受信者メール受けとり確認機能、受信メール転送機能、 署名機能、 また、メール送付の迅速性、メールの代理人による受け取り、などそれぞれの機能をうまく組み合わせると、紙をベースにした情報授受にくらべ、格段の能率向上が期待できる。
もちろん、 機械操作に不慣れで、仲間やアシスタントに常に、ハードコピーに印刷するようお願いをしたり、機械を通じての情報発信ができないで、他人にいつも依存するという、いわゆる問題児もたまたま見られる。
しかしながら、時間をかければ、全員が参加しての、 LANが多くの組織で形成されるものと思われる。
もう一つは、職場外との人々との、電子メール交換である。
私の場合は原則職場外との電子メール交換は職場からできないので、自宅から自分のパソコンをつかっての交信となる。
スイスの国際機関に勤めているので、職場のパソコンは日本語が通らず、自宅のDOSV パソコンにモデムをつないで交信している。
外部との交信には、 Compuserve や、 Niftyなど、いわゆる通信グループを通じてのものと、プロバイダーを経由してのInternet交信とがある。
前者の通信グループは利用の仕方が簡単なことと、親切なサポートが売り物である。
Compuserve の場合は、当地では、英語、フランス語、ドイツ語のサポートだけで、 日本語が通らないのが困るが、Internetにアクセスするまでのつなぎとして、種々の情報をうるのに役に立った。
最近は Internetでの、メール交換が多いので、 Compuserveのアドレスを使うことはあまりないが、 Internet経由がダウンしたときの、 バックアップとしていまだ、そのアドレスを維持している。
ただ、今MSN(マイクロソフト・ネットワーク) がそうであるように、 Compuserve や AOL (アメリカ・オンライン)も次第に、独立した通信グループから、Internetとの融合・統合が図られつつある。
NIFTYは、日本の情報をうるため、便利であるが、 Internetの閲覧ソフト、ブラウザーを利用し、 日本語で日本のWebページと交流できるようになると、前ほどの便利さは感じられなくなる。
今では、 日本に電子メール・アドレスがなく、ファックスだけのひとに Niftyを利用し、わりやすな料金で送信している。 スイスからは、Internet Telnetを経由して、 市内電話料金プラスアルファでNifty に接続している。
最近では、閲覧ソフト ブラウザーに、Netscape Nevigator 30 のような、優秀なものが提供され、これがたやすく、手に入るようになると、Internet 経由の電子メール授受が主体になってくる。
当然、オンラインでもオフラインでも、メールを読む事ができるし、また、同様に、オンラインでメールを発信することができるし、オフラインで準備した、テキストを単独または、複数の人に発信することもできる。
Internet経由の電子メールの便利さは、Webページとの、運動・リンクにあるのではないだろうか。
数多くつくられている、 企業または個人のWebページには、かならず質問コメントを受け入れる電子メールアドレスがついているので、これに質問・コメントをつけておけば、返信で多くの情報を入手しうる。
自分でWebページを作成すると、このWebページを見たひとからの、 質問・連絡がおおくよせられるようになる。
自分の場合は、スイスに住んでいるという事で、これに関するような、質問が電子メールで寄せられるようになっている。
質問が多いような場合は、予想されるような、質問とその答えを、Web・ページに組み込んでおくのが良いと思う。
また、Internet経由の電子メール利用で便利なのは、 Mailing List (ML)に参加する事であろう。
私の場合は誘われて、海外旅行と電子出版のMailing List に参加しているが、 List 参加者が多くの情報を共有できる点できわめて便利だ。
メール受信が多すぎる場合は、オフラインで読むか、時間のない場合には、タイトルや送信者をみて、拾い読みすることも可能である。
終わりに
この記事は2017年頃の「ライン随想録(井浦幸雄さん)」の復刻版です。
当時、私の故郷の「おふくろの味」を井浦さんがWebに載せて下さった。
この記事は住職の息子によって今も公開されている。
しかし、井浦さんの「ライン随想録」は今やどこにも見当たらない。
それで、当時お世話になったことを思い出し、復刻することにした。
【用語】
Compuserve、AOL、MSN、Nifty:BBS、パソコン通信
NCSA Mosaic 、Netscape Nevigator:初期のブラウザ
【ライン随想録】
インターネットと私(その3)ブラウザー
インターネットと私(その2)電子メール(本記事)
インターネットと私(その1)概況