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ライン随想録 フランス・リモージュ地域

ライン随想録 1996年10月21日-1996年10月26日 井浦幸雄

随想録

一日目
10月21日、9時30分バーゼルを車で出発。 スイス 高速道、ベルン、ローザンヌ をへて、 ジュネーブ、 からフランス国境を12時半ごろ通過。
リヨンから、サン・エテイエンをへて、第一日目の宿泊地、ボー・レタン (Bort-1'Etang) のお城、 コデイグナ (Chateaude Codignat) に4時半ごろ到着。
15世紀にできた、 古色蒼然たる城である。
夕食は暖炉のある部屋で。
客は英国人カップルとわれわれの二組のみ。
もうシーズンも終わりらしい。
今回の旅行はすべて、リレ・シャトーグループの高級ホテルを利用する事とした。

二日目
朝食後、 10時ごろ出発。 時間の余裕があるので、リモウジュに行く前、刃物の町、 テイールに立ち寄る。
十字軍遠征のあと、東方から刃物生産の技術をもった人が住みつき、いまではフランス刃物生産の7割をしめるという。
そこで、車を停め、 デイナー用のナイフ半ダースと折畳式の果物ナイフを一つ買った。
11時ごろ、 テイール、タピストリーの産地クレアモントを通過して、 国道141でリモウジュを目指す。
ヴォルカン国立公園のなかの道路で、 紅葉した木々に彩られた、 中央フランスの田園風景が美しい。
そのころには天気も快晴となり、石組みの家屋に紅葉したったが絡まる景色があちこちに見られた。
途中のオウブソンで昼食。 小さな地元レストランでサラダだけの昼食。 ミネラル・ウオターこみで二人で、88F. フラン、 約1500円。
約 200km走行後、陶磁器の工房があちこちに増えてくる頃、4時ごろ、リモウジュ着。
市の中心街に車を停め、 観光案内所で陶磁器工房のガイド・ツアーなどないか聞いてみた。
10月末というシーズン・オフでもうツアーはなく、自分たちでいくようにと、2、3、 の工房の地図をくれた。
2、3の店を見た後、 4時半頃、8キロほど郊外にあるホテル、シャペレ・ドウ・サンマタン着。
休憩後、 敷地内の森を散策、 高さ40mほどの大木の林となっている。
8時半頃からホテルで夕食。 7, 8組の宿泊客でにぎわっていた。

三日目
まず、10時ごろ、リモージュ市立歴史・陶磁器博物館を見学。
入館料ひとり 20F. フラン。この地域の陶磁器生産が中国など東洋からの影響を強くうけていることが良く分かる。
この博物館にはリモージュだけでなく、マイセン、ウエッジウッドなどヨーロッパ他地域の陶磁器が豊富に展示してあった。
なかには一つ一つの展示物を丹念にながめ丁寧にメモをとる人の姿も見られた。
次に博物館裏手にある、メゾン・ドウ・リモージュという高級陶器店に入ってみた。
ここでは前日、ホテルの夕食のときかざってあった陶器製のローソク立てをふたつ、気に入ったカット入りのワイングラスを一つ買い求めた。
昼食前にリモージュ工房にいってみたが、陳列物はあまり高級感はなく、 気に入らなかった。
また、まちの中心部に戻り、数軒の店にはいったが、そのうちリボールという小物・工房・販売店が質も良く、コーヒーカップとふたつき小物いれを購入した。
別の店で、 和食にも使える小鉢、小皿を六枚ずつかった。
家内が気に入った、金で縁取りしたコーヒーカップはいずれも150OF・フラン、約4万円もするので驚いたが、これは翌日、レイノードの工場・ショップで同様のものをやや割安で買いもとめた。
その日は、ややつかれたので、ホテルの自室で買い求めておいたワインとハム・チーズで夕食、早めに眠りについた。

4日目
ホテルをて、リモージュのまちにちょっとより、10時半頃帰途へ、昼食時にかかったので、 ヴィシーに立ち寄って、サンドイッチとハムを食べた。
ここは、ドイツに降伏後ペタン将軍の対独協力政府が本拠地をおいたことでしられているが、静かな温泉町のたたずまいであった。
ヴィシーから、車を約2時間乗り継いで、リオン近く、モントロン・デ・バンにあるホステリー・ラ・ポーラーツで一泊。
ここは、市街地の中にありうるさかったが、食事は専門の店という事でかなり期待することができた。
事前にこの日の夕食メニューを調べておいたが、 IMAGE イマージュというコースがよさそうだった。
7時30分ころ、 レストランにおりて行った。
年配のご夫婦ふたりが席についているだけだった。
この地域のフランスでは8時半すぎにならないと暖まらないらしい。
アペリティフにシャンペンをたのみ、メニューをじっくりとみて見た。
例のイマージュのコースは3品にチーズ、デザートがついて420F・フラン、2品で370F・フランという事だった。
わたしはフォアグラ、牡蠣と貝柱のクリーム煮、野鳩のソース煮、の3品、家内は牡蠣貝柱、野鳩の2品を選んだ。
この店では専属の優秀なソムリエがいるということなので、食事にあうワインを選んでもらう事とした。
20台後半ないし30そこそこにみえるこのソムリエは白い前掛けをつけなかなか愛想がよかった。
フォアグラにはやや甘めのスペインの赤ワイン、グラス一杯が良いという。
牡蠣と貝柱にはフランスこの地域のモーソウという、白ワイン、野鳩にはローヌ地域の赤ワイン、ハーフ・ボトルが良いというお勧めであった。
値段も手ごろで、お勧めどおりに注文してみた。
ソムリエに本格的にみたててもらったのは、これが初めてであったが、すばらしい選択であった。
とくにフォアグラと赤ワインの取り合わせは絶妙で、ぜひまた試してみようと思った。

五日目
スイスへの帰り道にジュネーブから約30キロのフランス・アヌシーに一泊する事とした。
冬季オリンピックの行われたアルベールビルにも近く、アヌシー湖に隣接した美しい街である。
フレンチ・アルプスから流れ出た清らかな雪どけ水がまちのあちこちの運河をしている。
観光客もかなり多い。
15世紀からのシャトーを中心に中世からの古い町並みが広がっている。
湖の周囲を車で回ってみたが、やく40分、随所に高級なホテル・レストランが点在している。
フランスの金持ちの別荘地でもあるらしい。

六日目
一路、 バーゼルへ。
帰宅夕方6時。

老齢プログラマの所感

車でフランス旅行とは羨ましいことです。
目の不自由な友人も人生最後の海外旅行と称してフランスとスウェーデンに行ってきました。
私もコロナ以降、海外には行っていません。

スイスは2019年に行ってきたので最近のように記憶が鮮明で、ライン随想録に共感できています。
その時の写真は、随想録のトップ写真に使わせてもらっています。
リモージュは先日友人にプレゼントしたコーヒーカップをしばらく所有していたことから親しみを感じています。
機会があったら最後にとは言わず、この辺りへ旅行に行ってみたいです。


補足

この記事は1997年頃の「ライン随想録(井浦幸雄さん)」の復刻版です。
当時、私の故郷の「おふくろの味」を井浦さんがWebに載せて下さった。
この記事は住職の息子によって今も公開されています。
しかし、井浦さんの「ライン随想録」は今やどこにも見当たりません。
それで、当時お世話になったことを思い出し、復刻することにしました。


【ライン随想録】
ライン随想録 フランス・リモージュ地域(本記事)
ライン随想録 駅前・放置自転車
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