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インターネットと私 (その3) ブラウザー

ライン随想録 1997年3月1日 井浦幸雄

「情報は発信しなければ集まらない」 とは最近耳にした言葉であるが、 そのとおりだと思う。
私の本業はバンキングであるが、 金融はますます、 情報通信産業の色彩を強くしている。
仕事でもコンピュータとは極めて密接に関わらなければならなくなってきた。
1985年ころから、アメリカでホビーとして、 PC通信に興味を持ちBBSなどに関わってきたが、スイスに移った90年ころからは、 Compuserve を利用し情報をあつめることを始め、95年1月ころからは、チューリッヒのSWITCHという学術用アクセス プロバイダーを通じ、 インターネットに直接アクセスするようになった。
このころはスイスでもインターネット利用は大学、研究機関が主体で、個人の利用は、ほとんどなく、ブラウザーも、モザイク、チェロ、など一部の人が、趣味程度に細々とつかっていたに過ぎなかった。
95年春に、 Netscape Nevigatorを利用できるようになった時には、便利さが増すものだと、きわめて驚いた。
このころはアメリカの技術関係のニュース取得、英語でのメール交換が主体であった。
1996年春に試験的なホームページを作ったときも、 英語版から始めた。
しかし、96年6月以降、 DOSV機 Gateway2000-Solos, ノートブックを東京で購入し、日本語が利用できるようになると、日本の情報がたやすく入手できるようになった。
日本の各種ホームページも急速に増加、進化し興味深いものが増えていった。
インターネット・アクセス プロバイダーは地元、バーゼルの業者 Magnet.chを利用しているが、 96年年末・年初に一時帰国したとき、 東京でDREAM. Netに割安に、加入できることを知り、 HomePageServerとして、利用させ
ていただいている。
FTPによる、 ファイル転送ができ、 また、日本語主体のページになりつつあるため、東京においておいたほうが、利用するひとのためにもなるようだと思う。
その間プラウザーは1996年中に、 Netscape Nevigatorが2.0から、 3.0に改善され、 また Microsoft も InternetExplorerを2.0から、 3.0に改良し、 プラウザー戦争の呈となっているが、われわれユーザーは、良いものがどんどん低廉なコストで提供されていることを大歓迎している。
私の場合はNetscapeで、ブラウザーの扱いを習ったため、なじみがあり、 Internet Explorer 30も使ってはいるが、 なんとなくしっくりとこない。
ただ、自分のホームページのチェックには必ず、 両方を使いように、 している。
この点についての、皆様のご意見もお聞かせください。
97年2月末に前年暮れから提供され始めている、 Netscape Nevigator4.0 とでも、いうべき Netscape Communicator をダウンロードし、 使用し始めた。
まだ、 十分とはいえないものの、HTMLエディター、FTPトランスファーの機能を織り込んでいるので、ホームページを管理する人には、便利なものとなっている。
ブラウザーの機能も、 3.0にくらべ、進歩しているし、 メーラーの機能も、スピードが増し、 返信なども楽になっている。
まだ、このバージョンの改善している点を、 使いこなしていないのであまりお話することはないのですが、 逆にこういう機能が便利という話があればお教えください。

目下の情報発信としては、 週に1本ずつ書いている、 ライン随想録のエッセイを直ちに、ホームページに掲載している。
「旅行、お好きですか?」、「たまごっち ぱーと2」、「コハビタシオン 結婚前の同居」、 「外国語学習と日本人」など、 約20本くらいが、すでに集められているが、最近では、 随筆執筆、ホームページ掲載のときに、 新聞・雑誌とおなじようなレイアウトのできる 「段組」の技術を使えるようになった。
画面を左右の半分ずつに割り、読みやすくするのものである。
Netscape Nevigator3.0 以上のものでないと、この機能は使えないが、ほかのものでは通常どおりによめるので、問題はない。
ビッテル (Vittel)さらに、もといた職場のお仲間のグループ、メーリングリストとしての、 Globers、JPNNET JP-EuNet Benelux などにも、できあがった随筆を投稿するようにしている。
また、お仲間と「平成つれづれ草」という、ホームページをつくっているため、これにも同じエッセイを送るようにしている。
このようにして書いたエッセイには、いつも10-15人くらいの方が、コメント、意見のかたちで反響を寄せてくださる。
こうしたメールにはかならず返信を出すとともに、記録しておいて、友人のコメントとして、 また私のホームページに掲載することとしている。
やはり自分が書いた原稿に、多くの方が反響を寄せてくれると励みにもなるし、 テーマの選定もいろいろ関心を持っていただけるようなものを選ぶことに勤めることとなる。
さらに、深水さんのX-Mailを利用させていただいて、 何人かの方に、 「平成つれづれ草」、「ライン随想録」 の新情報をご案内するニュースレターを不定期ながら発送している。
また、ホームページのゲストブックにいろいろメッセージを書いてくれる人には、返信を出すとともに、ニュースレターのメーリングリストにものせて、ご案内を差し上げるようにしている。

こうして書いたエッセイはプリントアウトして、インターネットにアクセスできないお仲間に渡したりしているが、 ゆくゆくは日本で出版することもかんがえている。
ホームページには、 ライン随想録以外にも、最近のスイスの話題とか、 旅行・写真アルバム、リンク集、などヨーロッパ、スイスに在住していることを生かしたかたちでの、貢献をできないかと考えている。
お仲間からは、「スイス、アルプスとバーゼル近郷の四季」 といった、話をデジタルカメラで撮った写真と日本語の文章でつづるページなどどうかという提案がなされている。
また、 こちらのお仲間の紹介ページとか近場の旅行紹介ページも考えている。
このような点でなにか提案がございましたらお教えください。

最近のコンピュータ通信技術の発展はかなり急速で、われわれ専門家以外のものも、十分楽しめるようになってきた。
ちょうど、 自動車が普及し専門のドライバーに代わって、 素人でも運転できるようになったのと似ている。
結局、これからはコンテンツがますます重要になってくると思う。
一部のマニアだけでなく多くの人が参加できるようになるには、関連のコストが一段と低下すること、ハード・ソフトがより使いやすいものになること、必要なサポートが割安かつ豊富にあたえられること、 がますます大切になってくると思う。

ゲームの存在がパソコン普及のきっかけとなったように、 高速処理機の導入などで、テレビ・ビデオなみの動画、音声がパソコン通信、ブラウザーを通じ提供されれば、 一挙に大衆に普及するのは目に見えているのですが、いかがなものでしょうか。

ライン随想録 1997年2月23日 井浦幸雄

【用語】
Compuserve:BBS、パソコン通信、当時日本にはNiftyがあった
NCSA Mosaic 、Netscape Nevigator:初期のブラウザ
深水さんのX-Mail:現在のまぐまぐ


【ライン随想録】
ライン随想録・インターネットと私 [その一]
インターネットと私 (その3) ブラウザー(本記事)

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