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雑感:もっと政治家という仕事が立候補しやすく、またやめやすくなればいいな
選挙について思うのは落選した政治家はどうしているのだろうという事。政治を目指すという事は失業する事になるから経済的に不安定になるし、もし落選したらその後、仕事を見つけられるのかという不安も付きまとう。ましてや年齢の事を考えたら簡単にできる事ではない。以下は選挙コンサルタントの平河エリ氏のツイート
オーストラリアの「議員の落選後の生活」に関するリサーチ、とても興味深かったので解説します。日本とかなり似た部分もあり、驚きました。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) June 3, 2023
対象はオーストラリアの国会議員で、ディーキン大学とヴィクトリア州議会のリサーチです。
👇以下でまとめます。https://t.co/2Rw8gONuDg pic.twitter.com/tXz12408el
・40%の元議員は、議会を離れてから有給の仕事を確保するのに6〜18か⽉かかった
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) June 3, 2023
・多くの元議員に精神的健康上の問題や、⼈間関係の破綻が見られた。
・一部の議員はうつ病やPTSDと診断された
・ほとんどの元議員は落選後の仕事に⼗分な充実感を感じておらず、尊重されていないと感じている
👇続く
・求職活動をした元議員は「全員」が職業上の差別を経験していた
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) June 3, 2023
・⼀部の男性は十分なサラリーを得て新しいキャリアを築くことができたが、女性はほぼ全員が国会議員時代の給与がピークとなった
・議席を失うと、スタッフも失職することになり、大きなストレスになった
👇続く
このようなリサーチ結果を示した上で、ペーパーでは
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) June 3, 2023
・議員・元議員へのカウンセリングなどのメンタルヘルスを含めたサポート
・議員のキャリア開発支援・ファイナンシャルプランニングのサポート
・退職した議員に対して、功績を称える尊重するイベントを開催する
ことを提案しています。
👇続く
オーストラリアの議会でも、似たような問題があることに驚きました。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) June 3, 2023
落選するとすぐに事務所を引き払わなければいけず、議会スタッフからぞんざいに扱われることにショックを受けるなど。
議員・元議員のメンタルヘルスは深刻な問題ですが、実証的な調査が日本ではないため早急に対応が必要です。
度々申し上げていることですが、「議員に挑戦しやすい社会」とは、「挑戦する前」と「挑戦した後」に手厚いサポートがある社会です。
— 平河エリ Eri Hirakawa (@EriHirakawa) June 3, 2023
立派な経歴があるのだから落選しても仕事があるだろう、という思い込みが公的なサポートを妨げていますし、多くの人にとって立候補が人生の選択肢にはなりません。
自分が見たイギリスの政治家の落選後の人生についても以下の事が書かれていた。
・落選後の心理的疲労
・政治的偏見から雇用主に拒否される
・他の仕事を見つかられなかったから自分でビジネスを始める
・元国会議員の48パーセントは有給・無給からなるポートフォリオキャリアを築いていた。つまり図書館、学校、赤十字、老人ホーム、地元消防局などのボランティア活動も含まれていた。
・女性の回答者だと議員時代が生涯収入のピークだと述べた
・ほとんどの議員がもう一回やりなおせるなら政治家を選ばないと答えた。
もうこれらを見たら、受かる見込みのある人以外は政治家を志すべきじゃないんじゃないか、と思ってしまう。あまりにも経済的なリスクが大きすぎる。ただ多くのバックグラウンドの人が政治に参加したほうがより民主主義にとってはいいのは当たり前でじゃあどうするか、である。
・すぐにできないが、日本型雇用のような若い時に雇用の機会が集中している社会ではなく、ジョブ型雇用が基本になればいいなと思う。そうすれば退職後も再就職できるかも。
・上記に書かれているような落選後の精神的または金銭的なケアが必要だろうと思う。
※裏金問題で騒がれている事も踏まえて、在職中には政治活動のお金を上げると同時に透明化すればいいと思う。また政治家の給料をもっとあげればいいだろう。
とにかく政治家という仕事にちゃんとやりがいだけでなく金銭的なメリットがあり、かつ立候補しやすく辞めやすくならないと政治家になりたいという人は増えそうにないだろう。