中島敦『山月記』 「上には上がある」&「恥は一時、志は一生」という心構え
『山月記』は中島敦32歳の時に発表されたデビュー作。
中国の伝奇小説『人虎伝』がもとになっている。
高校の教科書にも載っているので、一度は読んだことがある方も多いのではないだろうか。
主人公の李徴は、若くして進士(官吏登用試験に合格した人)になった俊才。才能があるがゆえにプライドが高く、誰かの下につくことを拒む。そのため官吏として人の命に従うよりも、詩人として名声を上げることを目指す。しかし詩人として成功することはなく、ついに李徴は発狂してしまう。李徴は、気がついた時には