嫁菓子。菓子増し。かしまし
嫁菓子。菓子増し。かしまし。
丹後の嫁入りに、付き物。
【お嫁さんのお菓子】
昭和の頃は、ようけ貰えた。
貰えた。と言うか、配っとんなった。
「嫁さんが、来るらしいで」
の、おばちゃんらぁの
脇立つ高揚感。
戦闘服は、かっぽう着。
決して、昭和の頃の機屋用でちょっと油がついたようなんちゃうやつ。
糸切りハサミ入れて、ポケットが穴あいとるちゃうやつ。
数あるかっぽう着の中でも、
“よそいき用”の、勝負かっぽう着だったにちがいない。
花嫁タクシーと、共に
礼服着た数人の男性陣が、竹籠の大きなやつに、
山盛り入った、“お嫁さんのお菓子”を携える。
敷地内から、配るエリアへ一歩入った瞬間
かっぽう着の奥様方の争奪戦開始。
こども連れて行っとったって。
我先に!!!
かしまし。かしまし!!
かっぽう着の役割が発揮されて、
5個、6個と
菓子。増し増し!!
もう、竹籠は、あっというまに、カラ。
ひと通りもらったら、近くに居たこどもにあげる。
「ほら、◯◯君、◯◯ちゃん。持っていね〜な」
こども達は、おばちゃんからもらったんと。
自分のチカラで、頂いた、お嫁さんのお菓子を両脇にかかえて、帰る。
奥様方のママチャリのカゴには、
嫁菓子が、ほくほくと、乗って、
オバチャン乗りの、スタートダッシュで、
自転車で、颯爽と帰って行く。
そんな、嫁菓子は、
「仏さんに備えとけ」
と、言われて、仏壇、もしくは、神棚に供えられてから、満を持して開封。
こっからは、何を先に食べるか。
気をつけねばならないのは、
だいたいみんな狙うのは、一緒。
後で、食べよ。は、だいたい食べられてしまう。
今はたまご煎餅が多いけど、
昭和の頃は、
【寿】印の、豆が入った煎餅だった。
アルミホイルで包まれた、ブルーベリー味の焼き菓子、ミルキーなんかは、よく入っていた。
パックンチョや、コアラのマーチなど、チョコ菓子は、早めにキープしとかんと、持って行かれる。
たまに、チョコボールが入っているパターンは、
金のエンゼルとは、贅沢言わんで、銀のエンゼル入ってないか?
開封の瞬間のドキドキ。
きっと、“お嫁さんのお菓子”を用意される両家には、
菓子に、10万円近く???
と、言う状態だったのではなかろうか。
大体、【寿】と赤🟥で書かれた、大きな白いダンボールが、積まれとったのを目撃したことがある。
タンス積んだ、紅白の荷造りロープのトラック
嫁タク
嫁菓子
丹後のちょっと前の風習。
今は、大々的に配るんは、ほぼ聞かないけど、
お祝い事で、
頂く嫁菓子は、
令和になっても神棚にちょこんと座っとる。
【【かしまし】】
は、うるさい。とか言う意味が強いようだけど、
キャッキャと、女性陣が楽しそうにする場を和ます。と言う意味も、あるらしい。
なんで、お菓子を嫁入りの際に用意するんか?
田道間守は、豊岡イメージだけど、
網野の橘と関係あるみてゃあだし、
長生き健やかに、みたいな意味?
色々深掘り丹後の文化(≡ΦωΦ≡)
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