「南西諸島への避難施設確保」とは?
「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」のメルマガ第141号が届いた。今回はこの会の発起人の新垣邦雄さんからの投稿(「高まる県内での戦争準備反対の動き」)が紹介されています。
そうそう。沖縄には避難する場所がほとんどないですね。県庁の下に地下駐車場がわずかにあるものの、地下施設なんてほとんどない。
5月31日朝、「北朝鮮からミサイルが発射されたものとみられます」としてJアラート(国民保護に関する情報)が一斉に配信された。対象地域は沖縄県で、「建物の中、又は地下に避難して下さい」と記されていた。
これを受けた全国ネットの某テレビ局は「地下鉄に・・・」などと言っていたが、沖縄には「地下鉄」などない。明らかな誤報であった。Jアラートが「地下に」などということを沖縄に向けて発信したことは沖縄の実情への理解を欠いていると言えないだろうか。
政府は「南西諸島への避難施設確保」といって「避難シェルター」で県民・市民の命を本当に守れると考えているのだろうか?
6月16日に閣議決定された骨太方針(「経済財政運営と改革の基本方針2023」)では、「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対応すべく、『国家安全保障戦略』等に基づき、2027年度までの5年間で防衛力を抜本的に強化する。その際、スタンド・オフ防衛能力、統合防空ミサイル防衛能力、無人アセット防衛能力、領域横断作戦能力、指揮統制・情報関連機能、機動展開能力・国民保護、持続性・強靱性の7つの柱を重視」とした上で、南西諸島について次のように述べている。
「様々な種類の避難施設の確保等」とは何だろうか?
沖縄本島の中心部を占める、普天間基地や嘉手納基地なども「避難施設」として共同利用するつもりなのだろうか??
与那国島、石垣島、宮古島にも逃げる場所などあるのだろうか?
机上の空論に思えてならない。
冒頭のメルマガで新垣さんが紹介した「沖縄戦のガマ(避難壕)と一緒。役に立つはずはない」との言葉は重い。沖縄県史や各市町村史や字史の沖縄戦経験者の証言を読むと、ガマが地獄と化し、とても避難所とは言えない状況であったことを今一度想起しなければならない。
かつては防衛研究所でも、現役自衛官が沖縄戦経験者など戦争の実相を知る人から話を聴く学習会をしていたと以前聞いたことがある。
これまで戦争経験者が命をかけて伝えてきたことを、受け止めるときだと改めて思う。
「経済財政運営と改革の基本方針2023」
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