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1歳の娘を連れて、育休はセネガルで

ごく普通の会社員生活を送っていた私が、娘が1歳になるとともに夫の赴任先であるセネガル(アフリカ大陸最西端の国)に引っ越した。育休中という限られた期間だからこそ、二度とないかもしれないここでの生活について日記がてらコツコツ綴っていきたい。

と言いながら、書くことが苦手だ。日本語の使い方からテーマの選び方まで、何もかも本当に苦手だ。書くことを少しずつ好きになっていけたら充分、そう自分に言い聞かせて続けよう!

まずは簡単に自己紹介:20代後半、お酒好き(仕事はお酒関係)、趣味はバレエ。親に育児中毒と言われるほど娘に全力の愛を注いで育児を楽しんでいる。なんでこんなにかわいいのだろう、自分から生まれたことが未だに信じられない。

よく見るとズボンが脱げている娘

半年間離れていた夫の元に、年明けようやく引っ越した。到着と同時にコロナに感染し、娘の時差ボケと夜泣きに耐え、夫と一緒にゴキブリをキッチンペーパー片手に退治する日々に疲れ果て、初めは散々だった。

隔離期間を終え家の近くを散策したが、最初の数日はとてつもなく肩身が狭く感じた。小学生の時海外に住んだ経験はあったが、さすがにここまでマイノリティの人種として生活するのは初めてだ。加えて抱っこ紐で子供を連れ歩いているせいか、なんだかジロジロ見られているような気がした。フランス語は紙面上理解できるが、いざ話そうとしても何も言葉が浮かばない・・・

そんな状況だったが、子供の生活リズムを整えるためにも毎日必ず散歩に出た。ラッキーなことに歩いて1分先のパン屋さんが安くて美味しい。

セネガルではパンの価格が固定だそうで、いつも買っているサイズのバゲットはなんと1本20円相当!
内側のふわふわな部分と外側を分けて娘とシェアすると、ちょうど私たちの朝食の分量。バターがふわっと香る優しい甘さで、赤ちゃんは舌が肥えているのかこちらに来て娘は急にパン大好きマンになった。

さすがに毎日パン屋に行っていると、店員さんも話しかけてくれるようになる。「赤ちゃんもパン食べるの?」と聞かれ、たどたどしいフランス語で「うん、この子はバゲットが大好きなの」と返した日以降、毎朝'Bonjour, ça va?'と娘を笑顔で出迎えてくれるようになった。

いつのまにかパン屋がひとつの「居場所」になっていることに気づき、毎朝必ず立ち寄って会話をすることが当たり前になっている。
パン屋だけではない。この町は近くのフルーツ屋さん、市場、近所のお店のガルディアン(守衛さん)など、ちょっと歩くとすぐに会話を交わす挨拶仲間ができる。目が合ったり通りすがりにお互いよく声を掛け合うことが当たり前で、皆サバサバサバサバ(ça va)言いまくっている。

肩身が狭いなんていうのは到着当初、疲れもあってか私が勝手にふさぎ込んで感じてしまったことで、セネガルは声をかけてくれる親切で愉快な人であふれている。これからどんな人に出会い何を経験するか、育休駐妻生活が楽しみでならない!

バゲットの外側を食べ続ける日々も、きっといつか良い思い出になるでしょう。


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