野窓仏香です。言語としての数学。やり直す。
数学が苦手でずっとやりなおしたいと思っていた。
そういう声を聞くことがあります。
印象に残るのは21歳の大学生の女の子。
彼女はフランスに交換留学をしていました。
語学学校でフランス語を勉強していました。
寮の部屋が隣だったとかで、
仲良くなったフランス人の男の子は大学生。
情報学の専攻で、数学が得意だったそう。
ひょんなことから、彼女は、小中高で特に苦手に感じていた問題を思い出して、彼に解いてもらったのだとか。
彼女はフランス語があまり上手に話せなかったので、彼との日常会話は一苦労だったみたいです。
でも、
同じ数学の問題に向き合う時、国籍が違う二人であっても、
同じ数字や公式や図を理解している。
そのことが彼女には衝撃的だったそうです。
「対等に話をしたような感覚になった」と彼女は表現していました。
そして、
いまや国際語となった英語、
人工的につくられた共通語であるエスペラント語、
それらを凌駕するのは数学という言語なのではないか。
彼女が熱く語るその姿を、私は忘れることができません。
では、数学をやり直したいと思うとき、なにから行動に移せばいいのでしょうか。
先日、Netflixでドラマ『ドラゴン桜』を拝見しました。
その中で、数学に関する印象的な発言があります。
阿部寛演じる桜木健二先生によると、計算力が鍵のようです。
そして、その計算力に関して数の暗黙知というキーワードもでてきます。
数をみた瞬間に、考えなくても、勝手に計算が浮かぶような感覚です。
フランス語を話すのに、文法的な組み立てを頭の中ですることはありませんよね。「伝えたい」という意識に反射するように無意識に言葉が頭に浮かぶような、そんな感覚が、数学にも必要なのですね。
数学も語学の学習と同じように、
・難しい問題に手を出す前に、基礎を固める
・反復練習が必要
・無意識にできるまで持ってくる
という点で共通していると思います。
だから、数学のやり直しをしたいと思ったら、
小学2年生の計算問題をやってみること。
数の暗黙知を手に入れるまで、練習を徹底すること。
この2点から始めればいいということです。
この記事は、日本からフランスに留学し、数学を介してフランス人とつながったと私に報告してくれた、あの彼女に向けて書きました。
言語と数学は、単純に文系と理系という枠組みの中で、別々に分類されがちです。
けれども、私は文理という枠組みをあまり重要視していません。
すべての学問はつながってるなんていいますし。
彼女が体験したあの感覚は、彼女の中で、文理の壁を印象的に壊したのではないでしょうか。
そう考えると、すごくわくわくします。
がんばってね。