仏勉人好のフランス留学準備 étude en franceを通した、大学修士課程応募の注意点。
ボンジュール。
ジェーム ル カフェ。
このnoteが役に立つ人
軽く自己紹介。
僕はフランスの修士課程に進学しようとしている20代。
大学を卒業して1年が経過している。
海外の大学院か、すごいな、大学で研究がんばったんだなと、言ってくれる方、ありがとう。大好きです。
ただ、ちょっと間違えてます。
・僕は大学で研究頑張ってない。
(担当教員の、大学院のコースに進もうと思ったら、嫌がられた。そのくらい怠惰で、頭の回らない学生だった)
・僕は大学の指導教員の推薦で進学する訳ではない。
・僕はフランスの大学の教員に連絡を取っている訳でもない。
・僕の大学は本州の端っこにある。
もちろん、外国語大学みたいに語学や文化の授業はそう多くない。
海外大に進学する人は多くない。故に、ノウハウや人脈も多くない。
・僕は研究者になりたい訳じゃない。
・僕はフランス語やフランスに関する職についている訳ではない。
完全にいちから入学するスタイルだ。
このnoteは、僕のように、ひとりぼっちの状態でフランスの大学院に正規留学したい方のお役には立つだろう。
・専門が人文や語学系だともっと役に立つだろう。
・自分ちょっと抜けているなあと自覚がある方のストッパーにもなれるだろう。
・初めて出願する人にもおすすめする。
・出願締め切りまで比較的時間のある人(締め切り1-2ヶ月前)を想定してる。
なぜかというと、この記事は出願のコツとかではなく、出願の際の注意点なので、これを読んだ後のあなたの行動にこそ最も意味があるからだ。
反対にこの記事を読むことをおすすめしない方もいる。
・キャンパスフランスで出願の経験がある人が身近にいる方。
パソコンをもって直接教えを請いに行く方が絶対いい。僕の記事ですべてを説明するのには無理があるからだ。
・出願の方法事態の情報が欲しい方。
ネット上で比較的簡単に手に入れられる情報については載せていない。
出願のスケジュールとか語学試験の概要とか、そういうものは必ず見つかる。
繰り返しになるが、この記事ができることは、僕が僕なりに感じた注意点をまとめることで、あなたの合格に向けた行動を後押しするのみだ。
ここで一句。
やらかして、コース全落ちでもしたら、取り返せない僕の1年。
僕の現在の状況
フランス大学・大学院の正規課程への応募も残すところ1週間。
僕の志望理由書の準備も、もうすぐ終わるところだ…
って書きたかった。
はい、まだ志望理由書が完成していません。
添削をお願いする人も決まっておりません。
学位証明もとってません。
なんなら志望する大学もまだ決まり切っていません。
CV(履歴書)は手をつけてすらいません。
どうすんねんお前。やる気あんのか。しっかりせやとお叱りを受けるでしょう。とほほ。
なぜこのnoteを作ろうと思ったか
キャンパスフランスを介して大学院に応募する際に、étude en france というサイトに入力をするんだよね。
でも、ここには僕が引っかかりそうになった罠がいっぱいあった。
僕みたいにおちょこちょいの人が、涙を飲み込むことがないように、
という気持ちでまとめている。
もちろん、そんなん言われんでも分かるわい、って方がほとんどだと思う。
少なくとも、僕よりは慎重で丁寧で勇気をもって取り組んだという証だから安心して。そしてその才能僕に分けてくれ。
前置きが長くてごめんなさい。
ただひとつ言わせてほしい。僕は「罠」という言葉をつかっている。
これは、自分自身が間違えたり、勘違いしたという事実のみを取り上げて、使ってる。
ここまで整備された正規留学プログラムを運営してくれる、キャンパスフランスさんや、étude en franceさんに、果たし状を突きつけている訳ではありません。勘違いさせてしまっていたらすみません。ご理解よろしくお願いいたします。
なぜこのnoteは有料記事にしたいのか
まずは、僕自身のお恥ずかしい話をしよう。
僕は2022-2023年の修士課程申し込みをした。
でも、すべて落ちた。
それは、それは辛かったよ。
もろもろの登録の勘違いや、読み間違い、情報検索の不足、自己認識の間違いなど、理由はいくらでも挙げられる。
英語圏の留学に比較すると、情報量が少ないのが常だ。
頼れる人がいないなら、自分で調べる能力がもっと必要だった。
そんな僕のことは置いといて、
あなたは今、卒論書いてたり、仕事してたり、育児してたり、ゆっくり調べる時間ないでしょ。あったとしても、すでに僕がやってるんだから、なにも同じように時間をとる必要はない。
おまけに、僕の情報は失敗に基づいてる。
失敗しそうになったとかじゃない、1年間の時間と7万円の出費を犠牲にして、本当に失敗したのだ。
だから、僕のもつ情報は価値があると思ったんだ。成功談よりも。
お財布と応援してくれた人と、そして何より自分に、悲しい思いをさせた。
だから、
その分誰かの役に立つことを、確認したい。
そしてそれは、あなたの大切なお金をいただくことで叶うと思ったんだ。
いただいたお金で、新書を一冊購入させていただく。
あまりにも自己満な理由でごめんなさい。
でも、あなたの力になるように、気持ちを込めて作った。
あなたが途中でこけてしまわないように、僕がサポートする。
では、
大学修士課程応募の注意点
オン コモンス!(はじめましょう)
この罠に、皆さんははまらないでくださいね。
罠1 え、うそでしょ。勝手に閉鎖されたプログラムと衝突
これは、希望する大学とそのコースを選択する際に登場する画面だ。
気に入ったコースがあって、いざ登録しようとしたら仰天。
閉鎖されてます。シャッターガシャーン。
早めに締め切られたのか、今年度の受け入れをやめたのか、、、
理由はわからない。けど、結構あるので要注意。
罠にはまらない対策としては、
いいなと思うコースがあったら、深入りする前に、このサイトで登録の詳細を調べること。
罠2 そんなことまで求められてんの?応募要項に初見殺し
例1 おいおい間に合わねえよ。裏切られたテスト項目
これは、希望する大学とプログラムを選択した際に、詳細な情報を表示する画面だ。
まず、気をつけて欲しいのは必要とされる語学証明について。
間違いのないように、下の3つの問いを自分に投げかけてほしい。
「出願のために何語が必要なのか」
「どの語学試験の結果なら提出できるのか」
「リスニングとリーディングの試験結果だけで本当に大丈夫か」
個人的には、フランス語の試験はDELF・DALFをおすすめする。
理由は2つ。
一つ目に、正規留学の申請の際に面倒がないこと。
フランス語の試験は代表的なもので3種類あるよね。
・DELF/DALF
・TCF
・実用フランス語技能検定試験
このうち実用フランス語試験は、完全に受け入れられない。
英検がアメリカ留学に通用しないのと一緒だ。
やっかいなのが、2つ目の、TCFだ。
試験の詳細は、ここでは避けるので、以下のサイトで確認して欲しい。
なぜおすすめしないのかというと、TCFは必須試験と補足試験に分かれているからだ。
そのために、試験希望の手続きが別々になり、結果の証明書の取得がややこしくなるおそれがある。
さらに、DELF/DALFと比較したときに、難易度が高まる恐れがあるからだ。
確かに「TCFの必須試験は日本人の学習習慣になじみやすいものだ」と言われているから、高得点を得られる可能性は高まるだろう。
その結果、
例えば、B2より、かつC1を必要とする受験者がC1を取得できるかもしれない。
しかし、TCFの場合、取得したレベルだけでなく、各技能の点数にまで、線引きがされていることが多い。
例えば、C1を取得した上で、聴解、語彙・文法、読解のすべてで、○○点以上など
そうすると、かなり細かいコントロールが求められる気がするのは気のせいだろうか。
また、精神衛生上もよくない。
それに、そもそも、多くの場合、大学院の出願のためには、四技能が証明されなければならない(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングのこと)ので、フランスで学問するつもりなら、はじめからDELF/DALF一択にしておくことをおすすめする。
例2 頼む、あの時の僕に戻してくれ。応募要項の新事実
続いて、志望理由書に関する注意喚起だ。
焦り気味な僕は、行きたい大学とプログラムが自分の中で決まった途端、志望理由書を書き始めた。
そして、いざ登録。
心に余裕ができたこのタイミングで、プログラムに関する詳細を確認すると・・・なんと!小言がいっぱい!
肌感覚的に多いのは、
専攻分野のうち、蛸壺化したどの分野に興味があるのか書けとか、
修論で何を扱いたいのかざっくり書けとか、
論文を書くのに使用する参考文献のリストを提出しろとか、
そういう類いの要望だ。
そんなもん、一朝一夕で考えつかない。
とりあえずフランス修士いこ、って思いたったような僕みたいなやつからしたら、懲戒免職処分ものだよ。ほんとに。
どうか頼む、僕の二の舞をしないでくれ。
この罠を抜け出すためには、志望理由書を書く前に、必ず、この詳細を確認することだ。
なんなら、盛り込むべき内容をメモした方がいい。
例えば、メモ帳とか、志望理由書を書いてるフォーマット上とか。
例3 本命だけじゃないんかい。僕の動悸を打ち付ける、新しい言語証明の陰
例1に似ているんだけど、語学証明に関する注意喚起だ。
フランス語で授業がされるコースに出願する場合、フランス語の証明書は必要だ。
なに言ってんだお前、当たり前だろとか突っ込まないでくれ。
続きあるから。
しかしだよ、フランス語で開講されるはずのコースなのに、
英語の語学証明が求められる場合もあるんだ!
なんてことだ。一人の人間に外国語を2つ以上話せというのか、とお怒りだろう。しょうがない、事実だ。
語学証明は気づいたら、時すでに遅し、なんてこともざらにある。
テストの時期とか、学校や仕事との兼ね合いとか、結果の発表とか、考えなければならないことが、ポケットの中で塵と化したティッシュくらいでてくる。
そういう僕は、出願締め切り2週間前に、焦ってIELTSを初受験した。
初受験だよ。もう、嫌になっちゃうよ。
同じ罠にはまらないためにも、繰り返すが、出願条件をよく見てくれ。
例1にも関連するが、語学の出願条件は、すんごく遅くとも締め切りの1ヶ月前までに必ず確認してくれ。
ちなみに、緊急で語学試験を受けるときには、語学スコアがいつ分かって、証明書がいつもらえるのか把握しておこう。
IELTSを例に出そう。
英検経由で申し込みをした場合は、証明書が自動的に登録した住所に送られる。一方、IELTS公式テストセンターから申し込みをした場合、基本的には個人宅には郵送されないようだ。注意してほしい。
例4 この学部卒じゃそもそも応募できないの?厳しい過去への介入
希望課程と学部時代の選考との兼ね合いに関する注意だ。
学部と修士で学問を変えるつもりの人は、何よりも先に、この応募要項と、大学HPの"Condition d'accès"を確認して。
基本的には、「この学士をもってる人なら出願できるよ」みたいんなノリだ。だから、その学士でなくても、経験や資格、動機によっては受け入れてもらえる可能性は十分にある。
た・だ・し・、"obligatoire" の文字があるときは厳しいと思った方がいい。文字通り、その学士は必須であるからだ。
この場合、事前に、希望する課程にコンタクトをとることをおすすめする。
その場合、プログラムに関する詳細に記載されているメールアドレスに連絡してみよう。
もしくは、キャンパスフランスに直接問い合わせよう。
すでに同じ質問が紹介していないか確認した上で、フォームを送ってみよう。丁寧に対応してもらえる。
罠3 1年、1年、1年、ん?2年?僕には無理だよ。タイミング間違える修論。
これは出願希望の大学を選択した画面。étude en franceの「私の教育機関」だ。入学年に関する注意喚起だ。
1年、2年とあるのは入学年のこと。
日本の4年生大学を卒業しているのであれば、bac +4をすでに取得していることになる。
よって、bac+5である修士2年からの出願が可能だ。
しかし、その場合、当然のことながら入学年度内に修論を書くことが求められるだろう。つまり、修論テーマが定まっており、指導教員を確保している必要がある。
僕のように思いつきで行くようなタイプには、これは厳しい。
M1に入学し、授業を受けながら、インターンをしながら、慎重にテーマを決めたい。指導教員に関しても少なくとも自分と対立してしまうタイプは避けたい。
僕のような思いを持つ人はM1(1年)からの入学をおすすめする。
ただ、ダメもとで出願してみるのもいいかもしれない。どこまで許容可能かは、それこそあなたの能力と大学側の状況とによって、変わるだろうから。
罠4 そもそもお前おらんのかい。我々の目をくらませるラベル
これは修士コースを検索するサイトでの、ある課程の検索結果だ。
ここでは、そもそもキャンパスフランスだけで、出願が終わるのかを確認してほしいという注意喚起をする。
このラベルがついていることにお気づきだろうか。
このラベルについての説明をキャンパスフランスのサイトからもってきた。
一言で言うと、「留学生受け入れの体制が整った大学なんだよ」を示すラベルだ。
同時に、留学生が集まりやすい大学であることも示している。
そのため、国際交流自体を希望する人や、留学生のハンデを少しでもなくしたい人に
とって、このラベルは指標になる。
なによりも、このラベルがついた修士課程の出願は、キャンパスフランス経由で行える。
大学との直接のやりとりやが必要なく、学士の指導教員の推薦状も絶対ではないことを考えると、僕のような弱虫ぼっちにはありがたい。
ちなみに、検索サイトの一覧にラベルがなかったとしても、
étude en franceで詳細を調べると、「なんだラベルついてんじゃん」ってことがある。落胆せずに調べてみてほしい。
ただし、グランゼコールやPSL(パリ研究大学)などは、個別の対応が必要だと思われる。
詳細はキャンパスフランスでの確認をおすすめする。
コラム:C1必須の修士コースにB2で挑んだ結果
結果はすべて不合格。
まれに拾ってもらえることがあるらしいと聞いた。
しかし、キャンパスフランスでの面接の際、担当者に伺ったところ、
かなり厳しいようだ。
例えば、学部3年への出願の場合、語学力が足りなければ、学部2年、学部1年から入学することを打診してもらえることもある。
一方、M1希望が、語学力不足が理由で学部3年からスタートしませんか?と提案をうけたという事例は聞いたことがないらしい。
理由はあれ、語学の応募要項に関しては、大学側の柔軟な対応を期待しない方がいい。
どうしてもという場合は、無理に挑戦するよりも、B2で出願できるコースを探すほうがいい。
探せばある。
僕はフランス古典文学希望だったんだけど、B2で出願できるところがあったらしい。当時は見落としてた。
まとめ
まとめというか、最後に一言。
一緒にがんばりましょう。
道のりは長いように感じるけど、ひとつひとつが僕らの留学を叶えてくれるはず。
P.S.
・もし他に知りたい情報があれば、ぜひコメントしてください。
・挿入したイラストはCanvaで見つけたモノをカスタマイズしてます。