プレゼンテーションとしての装い『25ans 』(2023年11月号)より
大切な試験がある。重要な会議がある。恋人にプロポーズをする。彼の両親とレストランに行く。もうすぐ新しい会社に入社する。外国人の友人に会う…
そうだ、こんなにもたくさん大切な場面が私を待っている。
でもね、私はあまりにも怖がりなんです。自分に自信がなくて、どんな入念な準備も、精神統一も、私が理想通りに行動できる理由にはならない。
私のようにチキンなあなたのために、この雑誌は少しばかりの戦略を与えてくれるかもしれません。
25ansのコラムの中に次のような言葉を見つけました。
良い響きです。
何がいい響きかっておっしゃいましたか?
本来、個人的な決定ごとである「装い」が、目的のための戦略や将来の利益をイメージさせる「プレゼンテーション」という言葉によって形容されることで、一抹の捉え難さを醸し出しているからです。
意味を考えてみましょう。
これはつまり、着る服、身につけるアクセサリーでもって、
自身の考え、その場での存在意義、相手へのメッセージを伝えようということです。
もちろん、このような言葉を使用しないメッセージには限界があります。
相手がその意図を汲むことすらしないかもしれないし、メッセージが正しく伝わらないかもしれない。
しかし一方で、大きなメリットがあります。
それは特にチキンなあなたにぴったりなのです。
なぜなら、そのメッセージは何もしなくても自動的に発信されるからです。
メッセージ性を持たせた服を着るだけ。
伝えたい心配りを託したアクセサリーを身につけるだけ。
あなたはそれらについて解説しなくていいし、
あなたはそれらをよく見せるために踊ったりしなくてもいい。
ただ単にそこに存在していればいいのです。
私のお気に入りの作品から例をひとつ挙げましょう。17世紀フランスの文学作品『クレーヴの奥方』からの引用です。
相手を連想させる何かを、自身の衣装に取り込むことで、「わたしはあなたを想っています」と伝えているのですね。
驚くことに、お洋服には本心を隠す役割を託すこともできるのです。
それはまさに、私たちが言葉によって本当の気持ちを隠すことや、皮肉を使って本当の意図をわかりにくくすることと同じです。
こちらでも、愛する人を象徴する色を自分のファッションに取り込むことで、想いを表しています。
またこれからの文章からは、女性たちが自分を象徴する色を持っていることもわかりますね。
この作品は歴史小説の側面を持つものであり、当時のフランスの宮廷では、「プレゼンテーションとしての装い」が日常使いされていたようです。
最後に装いについての名言を紹介して終わりにしようと思います。
知恵を使って装いを整えることで美しくなり、そしてそれは、不安気味なあなたを支える非言語の武器になるでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?