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『今夜は何が食べたいの?(*’ω’*)』
子宮がん終末期女性、69才、ベティーさん。7月末にご入居されて以来、徐々に痛みの訴えが多くなり、今回の処方で、麻薬の量が少し増えている。介護保険は、要支援2。
自分で歩くことも、食べることもできるし、自分の病状も理解している。
だが、一つ理解できていないこと。それは、自分の食欲⁉
本当は、3年前に予後宣告を受けており、既に自分で死の覚悟をされ、それ相応の身の回りの整理も済ませている。
娘さんがお二人いるが、次女さんがベティーさんの面倒を看る役割で、退院と共に同居が開始され、お孫さんと娘さんとの3人の生活が始まった。
この時は、親子で過ごす時間も残り少ないと、お互いに思っていたようだ。
しかし、それから3年、今も彼女は生きている。本人に言わせれば、『生きてしまった…』。
なんと悲しい文章何だろう…。
家族関係もギクシャクし始め、交わす言葉も徐々に減っていったという。
そんな環境下でメンタルダウンしていた彼女に、はるかの存在を教えて下さったのが、主治医の先生だった。
先生は、ただパンフレットを手渡し、『自分で行って見てくるとイイよ!後はどうするか、自分で決めてね!』とだけ伝えていったらしい。
今、彼女は食事で悩んでいる。
もともと食べることに希薄だったのか?逆に神経質だったのか?
現状の彼女の様子や言動では判断できていないのが本当だ。
もちろん、病気の進行や内服薬の副作用で食欲がないのもあるが、好き嫌いもあり、こだわりもある。
なので、はるか料理長の〇〇次長が、本人の様子を見ながら、一緒に関りながら、毎日あれやこれやと食事を作ってくれている。
キッチンから夕食のいい香りがしてくると、
ベティーさんはニコニコしながらキッチンに現れ、
『わぁ~美味しそう!!私、こういうのが食べたかったのよ(*´▽`*)❤』とご機嫌で女子トークが始まる。
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最近では、お父様方も『ちょっと味見!』に参加され、おちょこ片手にほろ酔いムードのキッチンカウンター。
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嚥下の問題だったり、咀嚼の問題だったり、食事に関する問題は山積みではあるが、私のこれまでの経験上言えることは、
❝自分が食べたくて食べるものは、むせることなく上手に食べられます❞ということ。
(まぁ~私の持論ですけどね(;´∀`)
最近、考えるんですよね~!
『尊厳』をもって介護をするということは、引き算が大事だと。
シンプルに、寄り添っていれば、本当に必要な事は、そんなに多くはないのです(*’ω’*)
食事は、美味しく食べないと、栄養にならないばかりが、ストレスにしかならない。
せめて、はるかでは、お客様の食べたい物を、新鮮な材料で美味しく食べていただきたいと思うのですよ!
調理長の〇〇次長!これからもお客様のリクエストに挑戦していただきたく、宜しくお願い致します。
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