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【GW/おうち時間】 公園に集う新世代-Z世代が求める童心と体験の多様化-

1. 概要 

Z世代の娯楽の幅はどんどん広がりを見せています。ショッピング・おしゃれなランチ・お家でゲームという従来の過ごし方だけではなく、「公園」が一つのキーワードになっているのはご存じでしょうか?今回は実際に公園を利用するZ世代に対してインタビューを行い、なぜ公園を利用するのか、その真意を考察しました。 

またインタビューを通した考察から、これから新たに提供できるサービスを考案しました。    

ぜひ最後までお付き合いください。  

2. 現状の社会背景+原因

散歩や遊具で遊んだりと住民の憩いの場である公園ですが、実際どのくらいの人数が公園を利用しているのでしょうか。まずは、最近の公園事情を、公園利用者数と共に見ていきましょう。

(出典:国土交通省 都市局 公園緑地・景観課 「令和 3 年度 都市公園利用実態調査 報告書 (抄) 」)

国土交通省の調査によると、公園利用者は昭和57年の7,925人をピークに徐々に減少していっています。令和3年と昭和57年を比較すると、おおよそ半分以下になっているのがわかります。そんな中で興味深いのが、一時的に増加傾向を示した平成26年から令和3年にかけて再び30%も減少している点です。この間に、どの様な影響があったのでしょうか。

・コロナ/スマホの普及などが原因?

(出典 PRタイムス  https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000026881.html )


公園の利用が減った理由として、新型コロナウイルスの影響があると考えられます。

エレコム株式会社が3,900名に行った調査によると、コロナ渦をきっかけに「おうち時間」が増えたと回答した人は70%を超えています。近年はスマートフォンやテレビゲームの普及により公園利用が減ったとされていますが、公園で遊んでいたという人も人との接触を避けた「おうち時間」が増えたために公園離れが加速したのではないでしょうか。

3. Z世代の現状

出所:Marketing Design X Lab.

このアンケート結果から、公園は子どもだけではなくてZ世代にも利用されていることがわかります。大学生の約95%が大学生になってから公園を利用したことがあると回答しました。

そのうち、半数以上は散歩のついでに公園に寄ったと回答しています。また、次に回答数が多かったのは休憩やピクニックでした。近年、トレンドワードに「おしゃピク」が入り、公園でおしゃれなレジャーシートやカフェフードを持ち込んで会話や写真撮影を楽しむことが流行ったりと公園の使い方は多岐に渡ります。

このことから、Z世代にとって公園とは開放的な空間であり、「コト消費」に移り変わる社会で公園は「オリジナルの経験」ができる施設になっているのではないでしょうか?公園の使い方は多様化していくことが予想されます。

出所:Marketing Design X Lab.

そこで注目したいのが、大学生が実際に公園でしてみたいことの中で「遊具」で遊びたい人が全体の約3割を占めていることです。「遊具」は誰もが幼少期に一度は遊んだことがありますが、年齢が上がるたびに近づき難いものになっています。

今回、私たちはGWに実際に公園遊びをした「Lさん」をエクストリームに設定し、インタビューを行いました。

4. ペルソナ エピソード 

これらの調査を踏まえて、私たちは大学4年生の女性Lさんをペルソナに設定し、インタビューを行いました。Lさんは最近、地元の公園で従兄弟たちと遊ぶ時間を楽しんだ経験があります。

Lさんの家の近くには、子供の頃によく遊んでいた公園があります。ある時、数年ぶりに帰省した2人の従兄弟(高校生・大学生)と一緒に近所を散歩していると、その公園を通りかかり、懐かしさを感じて遊具で遊びたくなったそうです。その後、3人は家からバレーやテニスの道具を持ち寄り、しばらくの間公園で遊びました。

インタビューの中で、Lさんにとってその1日が記憶に残る楽しい思い出となった理由を質問したところ、「幼い頃に遊んだ遊具を久々に楽しめたこと」と「運動しながら誰かと楽しめたこと」の2点が挙げられました。このことからZ世代には、公園を通じて童心に帰り、誰かと体を動かして遊ぶ体験に需要があるのではないかと考えられました。

反対にその体験をする中で困ったことを質問すると、公園が道から丸見えのため、洗濯物を取りにきた人に、大人が公園で遊ぶ姿を見られてしまったことを憂いていました。

5. ペルソナとZ世代の対比(エクストリームの差)

出所:Marketing Design X Lab.

ペルソナの最も特徴的な点は、大人になってから公園で遊具を使って遊び、楽しんだという体験です。

実際に大学生になってから公園で行った人々にアンケート調査を行なったところ、遊具で遊んだことのある人は37%でした。その一方、散歩や休憩は半数以上の人が体験しており、遊びの項目(スポーツや遊具で遊びなど)よりも行われやすいことが分かりました。

6. 仮説

出所:Marketing Design X Lab.

そこで、大学生に対して「公園でやってみたいけど挑戦できていないことはありますか?(複数回答可)」と調査したところ、最も多くの人が「遊具で遊ぶ」を選択しました。

これらの分析から、Z世代は「誰かと共に運動しながら、童心に帰る体験」を求めているが、周囲の目や恥ずかしさから、それを実現できていない状態があるのではないかという仮説が考えられました。

7. アイデア

前述したインタビューや調査結果から、私たちが提案するのは「移動式カフェスタンド」×「遊具やラケットのシェアリングサービス」です。

公園に入りづらい大人も気軽に訪れやすくなるようフードトラック式のカフェを設け、そこで懐かしの外遊びグッズや複数人で遊べるスポーツ用品等の貸出を行います。

貸出グッズの一例としては、バトミントンやフリスビーなどです。

複数人で遊べるグッズを提供することで、周囲の目や恥ずかしさを感じるZ世代にも挑戦へのハードルを下げることができるのではないかと考えています。

8. ペルソナからのFB、Z世代からの共感度合い

「すごくいいアイデアです!カフェがあれば、人の目や年齢なども気にすることなく公園に入りやすいし、休憩もできるので思わず公園に長居してしまいそうです。また、複数人で遊ぶことができることができるので、童心に帰って友人たちと思い出を作ることができることが素敵だと思いました!カメラスタンドなどの貸し出しもあれば、動画として思い出を形にできて楽しいのではないかと思いました!」
Lさんからは上記のような所感を得られました。

また、Z世代に「このサービスがあれば実際に利用してみたいか」という質問を投げたところ、「はい」と回答した人が100%と高い評価を得ることができました。利用してみたい理由としては、「懐かしいスポーツを楽しめるのがいい」、「自宅から遊び道具を持っていく必要がなく便利」などが挙げられました。

9. まとめ

みなさん、Z世代の公園事情はいかがだったでしょうか?

大学生の娯楽の一つとして、公園が挙げられたことは意外だと感じる方も多かったかもしれません。

しかし、Z世代は公園に対して「誰かと運動しながら、童心に帰る体験」をインタビューやアンケート調査を通して、強く求めていることが伺えました。

これまで綴ってきたZ世代の公園事情には、「昔を懐かしむ気持ち」だけではなく、「非現実を求める気持ち」が含まれてるいるのかもしれません。

忙しい日々の中で、心が疲労してしまった時は友人を誘って公園で過ごしてみてはどうでしょうか?



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