玉音放送により、大日本帝国の戦争遂行機能が奇跡的に停止した
みたいな美辞麗句が謳われますが、たぶん間違いです。
なぜならば内地とは別に連絡手段の絶えた残留日本兵や、旧満洲、南樺太では8月15日以降も非戦闘員を攻撃目標とした戦争が継続していたのです。
戦争終結後の戦争を、日本人が後世の日本人に伝えていないことは世界を読み違える原因になる。
少なくとも、当時、旧ソビエト連邦がやってくれちゃった行為については覚えておくべき。
昭和20年8月16日、スターリンはトルーマン米大統領に
「北海道北部の占領」を要求した。図々しいがホントである。
日ソ不可侵条約を期間中に一方的に破棄し、当事国不在のヤルタ会談で
「日露戦争以前の南樺太と千島諸島を領有」する承認を、ルーズベルトに取り付けたというが、そもそも南樺太はそうだが、千島列島は榎本武揚と千島樺太交換条約で領有を手放しているから日露戦争は無関係である。
遅れて対日参戦したのだから得られるものは何でも奪う。戦国時代の乱取りと同じで、むしろ民間人など非戦闘員から「奪う」「こ〇す」「犯す」といった、池波正太郎の言葉を借りるなら
「畜生働きの盗人」
みたいなことを国を挙げてやってしまったのが、旧ソビエト。
大日本帝國及「ソヴィエト」社會主義共和國聯邦間中立條約
条文はここを参照!
日ソ両国は領土保全と相互不可侵を相互に尊重し合う義務を負うものとして、5年間効力を有する旨及びいずれの一方も有効期間終了の1年前に破棄を通告しない場合には自動的に5年間延長されたものと認められる旨規定しているものでした。ソ連は1945年4月に同条約の破棄を通告してきたが、1946年4月までは有効。つまり有効期間の真っ最中に、火事場泥棒の搾取を実行したものです。
約束を守れない国というのはどこにでもあります。ソビエトの流れを重んじるロシアのプーチン大統領も
ロシア・ウクライナ友好協力条約 および ロシア・ウクライナ地位協定
を一方的に破棄したことは、記憶に新しいです。
やってることは78年前と同じです。
昭和20年8月18日。戦争が終わったはずの千島列島最北端の島・占守島にソ連軍が侵攻してきます。武装解除中の日本軍は防衛のため戦闘をせざるを得なかった。大本営を経由してマニラのマッカーサーに「ソ連の停戦指導」を要請したのです。なんとソ連はこれを拒絶して、実効支配に乗り出した。アメリカは激怒。トルーマンは北海道北部占領の要請を当然拒否します。
スターリンは千島列島を一気に制圧し、北海道を実効支配するつもりだったのですね。ところが誤算が生じた。占守島の日本軍は強かった。ソ連軍は占領どころか圧倒されたのです。
しかし日本軍は、自衛戦争とはいえ戦闘を終えなければならなかった。
そうこうしているうちにアメリカの進駐軍が北海道に到着し、スターリンの野望は潰えた。腹いせのように千島諸島に武力上陸をして侵略、9月3日に歯舞諸島へ上陸し実効支配を実現。今日に至る。
占守島の日本軍は全員シベリアのラーゲリ送り。なお、日本軍の指揮官は樋口李一郎中将、日本陸軍のシンドラーと云われる人格者。
露助は泥棒猫だと声に出していいたいけれど、そもそも、そういうことがあったよと教えてくれる学校はほぼ無いと云ってよい。
ウクライナ戦争真っ最中でありますが、日本の支援先をみて
ロシアの下院副セルゲイミロノフ氏が
「ロシアは北海道に対する権利を持っている」
という発言をしたのは記憶にあたらしい。
YouTube映像はなぜかほぼ抹消されてますけど。
ロシアは78年前の欲望を忘れていない。
そして、同じことを繰り返す。
8月15日で戦争が終わったのは内地だけ。
8月18日、理不尽ながらも、まだ日本は
戦争を終わらせて貰えなかった
というお話です。