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江戸の交差点

旧中山道と、八王子千人同心が日光との往還に用いた通称日光往還。
吹上宿で交差するのですが、一般常識から考えて
「大通りが優先道路で、マイナーは信号待ち」
的な感覚になります。
たぶん、通常はそうなのでしょうね。

厳密にいえば、吹上~行田間は、ふたつの街道が重なる区間。
中山道は大名駕籠が「した~に~」と通るメインストリート。しかし、半年に一度、千人同心は任期があるので交替のため往還します。
立場や身分が低かろうと、神君の御役目になるときは、別。
大名はその往還を妨げることは許されません。駕籠が道を譲る図になるのです。

加賀前田家の休息所だった東曜寺。吹上は大名ゆかりの宿場。

だから千人同心が往還する日は、きっと大名駕籠は通らなかっただろうね。
体面という奴があったから。
今も昔も、体面を優先にする権力者は多いのでしょう。