見出し画像

さようなら、紅白歌合戦

2023年の出場歌手を聞いて
「本当の意味で、紅白歌合戦にとどめを刺した」
と感じた。
国民の行事でも何でもない。
1年の締め括りにもならない。
感慨深さもない。
そんな紅白歌合戦など、昭和50年代に終わっていたことを改めて痛感した。必死のNHKだけの面目を保つ延命の結果、穢して真っ黒という印象しかなかった。

松山千春のすべてを好きとは云わないが、共感すべきことはタマにある。

11月17日、全国ツアーの東京公演での一幕。
13日に発表されたNHK紅白歌合戦の出場歌手らについて
「3分の2は知らないぞ。カタカナとか。それはそれでいいんだよな」
「毎年言ってるけど俺は紅白出るために歌を始めたんじゃない。『紅白に出たかったんです』って出場できるやつはそれで良かったんじゃないか」
出たい人には肯定した、そのうえで。
「俺はNHKホールよりもこのステージだ。今さら紅白に出たら、今まで俺を応援してくれたみんなを裏切ってしまうことになる」
「俺は正月は北海道にいたい。あんなNHKごときに『ここに立て』だとか『あの曲を歌え』とか、てめえらにガタガタ指図されるような歌手じゃないんだよ。な?」
松山千春だから、これでいい一言だ。

でも、すごく重要なことを言及している。

『ここに立て』だとか『あの曲を歌え』とか」
出してやる、おめでとう。
多分、紅白に誘われたのでしょうね。今でなく、これまでも。そして、曲のリクエストをされたのでしょう。今年の歌を、じゃなく、昔の売れたコレでと、決めつけられることに強く反発されたのではないですか。
さだまさしだって、紅白の後の番組で「今年の出した歌を歌わせろ」というフリップ出したくらいだしたくらいですから。

どうせ特別企画で、他局の歌を加山雄三に歌わせる企てもあると思います。節操ないです。

今年活躍して、
1年間、
日本国民を励まし勇気づけた、
今年愛された歌。

本当に国民から愛される紅白は、きっとそういう番組なんだろう。

レコ大終わって、息せき切って駆け込んで歌う。
その頃の歌が、今年の愛された歌なんだ。
出場者を選ぶのはNHKの都合でも、曲まで決めつけるのは僭越極まりない傲慢なのだと思う。北島三郎の出場記録を超すからもう卒業しろと、五木ひろしに囁いたという話もある。無礼なことだ。隔年で2曲同じ歌しか歌えない石川さゆりこそ、出場回数だけの人で失礼極まる。けん玉は自分のコンサートでやればいいし、わざわざ見たい人ばかりではない。

松山千春のすべてを好きとは云わない。
でも、ハッキリと物申す姿勢には敬服する。
ジェンダーレス社会として、今年で紅白を終わらせたとしても、日本の誰も怒らないだろう。終われるときに終われないお祭りは、最終的に初回からの全てを否定される不幸を背負うものだ。
せめて今年の歌を歌うくらいの矜持を持った番組であることを祈る。
観たくないけど。

いい歌でも紅白に映えない名曲だってあるものな。