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あたらしすぎたエルガイム

みんな知ってるか、この作品を

『重戦機エルガイム Heavy Metal L-Gaim』Heavy Metal L-Gaimは、1984年2月4日から1985年2月23日まで、名古屋テレビを制作局としてテレビ朝日系列で毎週土曜全54話が放送された、日本サンライズ制作のロボットアニメ。

前番組は『聖戦士ダンバイン』で、後番組が『機動戦士Zガンダム』であることから、その後のアニメ界に大きな位置づけをなしたことがピンとくるだろう。
『機動戦士Ζガンダム』以降、MSのコクピットは全天周囲モニターとリニアシートを合わせて導入している。これは『重戦機エルガイム』内で球形のコクピット内に新型スパイラルフロー「ビュイ」が浮遊し、コクピット全天およびビュイのフロントグラスに外部映像や各種情報が投影される機構だったことを参考にしている。実際、Z以降の制作ガンダムで0087年(の一部)前を舞台にしている作品を除けば、ずっとコクピットはこの形態になっている。『重戦機エルガイム』なくしてガンダムの革命はなかったのですね。

さて、『重戦機エルガイム』とはどのような作品か。

『機動戦士ガンダム』や『伝説巨人イデオン』などで新たなロボットものの作品世界を作ることに成功した富野由悠季。これまでの経験に慣れていたスタッフに、まったく異質で若い才能を加えてみることを思い立つ。
その最たるものとして参加させたのが、永野護だ。
永野護は「アニメ新世紀宣言」で宣言を読み上げてた。

写真は、若かりし頃の永野護・川村万梨阿夫妻。

永野護はアニメ雑誌『月刊ニュータイプ』1985年6月号誌上の特集「バイストン・ウェル物語」において、『重戦機エルガイム』という物語は『ダンバイン』に登場する妖精フェラリオたちの長ジャコバ・アオンが所有する水晶球内で展開されるおとぎ話であると発言している。
『聖戦士ダンバイン』に登場したフェラリオであるチャム・ファウ。

『重戦機エルガイム』には、チャム・ファウに似ているリリス・ファウが登場する。

フェラリオたちの住む水の国「ウォ・ランドン」の上層には、選ばれた者だけが入ることを許される「オージ」なる領域が存在し、この「オージ」のさらに上層にはバイストン・ウェルの宇宙といえるべきものが存在し、その宇宙にペンタゴナ・ワールドが存在するとされている。
富野のバイストンウェルワールドと、永野のペンタゴナワールドは同じ地平ということになる。
作中ではファンサービスとして、ダンバインのフィギュアがヤーマンの廃墟に建つ家の中に置かれている描写がある。

二重太陽サンズを中心に5つの惑星を擁するペンタゴナワールド。統一された世界は、類稀なる美貌と不老不死の肉体をもつ絶対的指導者オルドナ・ポセイダルの統治下にあった。しかし、長く続いた治世はやがて腐敗や格差を産み、文明の退化や治安の悪化が深刻になりつつあった。
惑星コアムの片田舎に住む若者ダバ・マイロードは、親友で整備士のミラウー・キャオを伴なって青雲の志を胸に旅立つ。旅の目的は行方不明の義妹クワサン・オリビーを探すためでもあった。ダバは父の形見であるA級ヘビーメタル「エルガイム」を駆って旅の行く手を阻む山賊たちや、2人と同様に立身出世の大望を抱いて故郷を旅立った青年・ギャブレット・ギャブレーと激しい戦いを繰り広げる。
そんななか、ダバは旅の途中で知り合った元山賊の娘ファンネリア・アム、ポセイダル正規軍「13人衆」の一員でありながらダバに惚れ、仲間に加わったガウ・ハ・レッシィ、見世物小屋で働かされていたところをダバに助けられた妖精リリス・ファウを仲間に加える。
ダバは旅の途中で知り合い命を落とした男から、100万ギーンの手形を謎の人物アマンダラ・カマンダラに届けるよう頼まれる。「死の商人」としてポセイダル正規軍と反乱軍の双方に兵器を売り、紛争で巨万の富を得ているアマンダラとの面会は容易ではない。やっと出会ったアマンダラの態度に腹を立てたダバは彼を殴り倒すが、その気概を気に入ったアマンダラはダバたちに手厚い援助を行う。
やがてダバは、ポセイダルの施政に不満を抱いて武器を取った反乱軍と知り合う。圧倒的な戦力差から絶望的な戦いを続ける反乱軍の前で、ダバはみずからの正体がかつてポセイダルによって滅ぼされたヤーマン族のカモン王朝の正統な後継者であるカモン・マイロードであることを告げる。ダバという旗印、そしてヤーマン族壊滅により失われた技術の粋であるエルガイムの量産化により、反乱軍は勢いをつけていく。
一方、ポセイダル正規軍の内部では、13人衆を中心とした激しい権力闘争が巻き起こっていた。13人衆のひとりネイ・モーハンに取り入ったギャブレーもまた破格の出世を遂げていく。ネイは愛人で正規軍内反ポセイダル派のリーダー・ギワザ・ロワウらと共謀してポセイダルに対するクーデターを企てていた。ポセイダル、ギワザ、反乱軍の三つ巴の戦いのなかでダバが探し求めていたクワサンは洗脳されポセイダルの忠実なしもべとなってダバの前に現れる。
ポセイダルを倒すため、そしてポセイダルの手からクワサンを取り戻すためダバは新たな力「エルガイムMk-II」で戦いに挑む。

登場するキャラクターは、永野護のロック趣味全開で、パンクで異様だったが、常識外で新鮮でもあった。

メカも外観でなんちゃってが許された部位を逸脱し、内部のフレームから設定を入れるというパンクな仕上がり。よく重力に逆らって地上にいられるなと感心するけど、アニメだから気にするな。

エルガイムMk-Ⅱの登場が、後番組でガンダムMarkⅡにつながるのも、やはり影響大。
主題歌もパンクでロボットアニメくさくないぜ。

再放送、BS12あたりでやってくれないかな。
モスピーダ放送したくらいだ、期待したい。

令和の時代、エルガイムは響くか!