参考文献評
萩原タケを描いた作品「聖女の道標」の参考文献資料を列記して、(当然ですが)様々な反応が寄せられました。中には期待通り「おかしいよ」という笑い交じりの声もありました。
あの作品が、よんどころない事情から、神経質なまでに異常な読み込みをしただけの結果です。
いつもは、むしろ厳選深読みの少ない量です。時間が惜しいですから。
例えば。
今年の「第103回オール讀物新人賞中間発表」に残った作品「魔斬」の参考文献は、せいぜい以下の通りです。
【参考文献】
◇「図説江戸町奉行所辞典」 笹間良彦・著 柏書房・刊
◇「日本妖怪巡礼団」 荒俣 崇・著 集英社・刊
◇「新日本妖怪巡礼団 怪奇の国ニッポン」 荒俣 崇・著 集英社・刊
◇「別冊宝島・シリーズ歴史の新発見 徳川将軍家の謎」
石井慎二・編集 宝島社・刊
◇「知られざる大江戸ネットワーク 闇と掟」 童門冬二ほか・著
KKベストセラーズ・刊
◇「歴史と旅 特集・謎と怪奇の日本史 昭和54年10月号」
秋田書店・刊
たしかに、コメントで笹目いく子先生が
「10巻くらいの続きものは別として、1巻完結でこの量とは…」
とおっしゃる通り。長期連載物は、ここまでとは云いませんが、かなりの物量になります。「里見正史」モノや、NOVLEDAYSの「光と闇の跫」などは、多い部類と思いますが、それでも(自分の中での)常識の範囲内のつもりです。
オフレコでSMSに頂いた声も、人の正直な感想だと受け止めて苦笑いしときます。
むしろ。
諸先生方がどのくらいの資料収集や情報に労力を費やしておられるのか、逆に教えて頂きたいものです。
手の内だから、駄目かな。
リアルなお付き合いの先生からオフレコで聴くしかないか……。