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音楽に寄り添う小説もある

作品を読まれる方が
「この作品のイメージは……」
とチョイスすることがあるように、書き手にも脳内大演奏な印象ミュージックがあると思う。少なくとも、ワシにはある。

アルファポリスで発表している「小河内ムーンライト」。
これは、グレン・ミラーの名曲を全編の背骨にしたものである。

これを作品のなかに練り込んだ、和製ジャズが戦前日本から潰される少し前の、切ない時代の物語。
この作品の時代設定と、グレン・ミラーにちょっと詳しい方が作品を一瞥すれば、アレッという矛盾にすぐ気づく。気付いた人も、分からない人も、最後まで楽しく散文公演を楽しんで欲しい。
矛盾の答えは、すべての物語の、最後の行にあるのだから。

それにしても、夢酔にジャズ?
そんな高尚な鑑賞している人種とは思わなかったのではないですか?
でも。
ジャズと歴史時代小説って、相性いいんですよ。
ほら。
「鬼平犯科帳(二代目中村吉右衛門版)」だって、EDのテーマは、ジプシーキングスでしょう?角川映画の全盛期には時代劇にロックをぶち込んで話題になりましたが、弾ける作品ならそれもいいけど、人間ドラマの深み重みを盛り上げるのはジャズだろうなと思います。