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朝ドラヒロインは必要

いまの朝ドラって
「オーディションで勝ち残った」
といいながら事務所ごり押し女優が主役の座を射止めてしまっている。無名の原石は打ち捨てられているのだ。
これは、ダイヤの原石を発掘することをNHKが放棄し、「J」とは違う事務所との、似たような蜜月関係さえ訝しがられる邪推すら覚えるのだ。
「日本の朝の顔」
になる意味は、大きい。どんな手を使ってでも欲する連中は、きっと多い。当然だ。
でも、やりすぎだと、思っている。

もともとオーディションじゃなく、制作側からご指名で、芝居の出来る女優にヒロインをさせた第一号は「純情きらり」の宮崎あおいだ。
そうなったのは、理由がある。
朝ドラが殺人的につまらなかった魔の数年間があった。
視聴率がとれず、でもこれはヒロインのせいだけじゃない。つまらない話を作る脚本家にも問題があった。丁度、平成という時分もあり、視聴者であるお年寄りを斬り捨てて、若者っぽさを出した。お年寄りは観たくても観られなくなり、若者はズレたドラマに相手にすることもない。これは、当然の自爆であり、その結果だ。
そう思うのだが、異論は認める。

2002年「まんてん」
2003年「こころ」「てるてる家族」
2004年「天花」「わかば」
2005年「ファイト」「風のハルカ」

どう、覚えてる?ヒロイン誰?ちゃんと後にも女優は活躍してるのに、どんなお話しか、朝ドラの記憶がないのは、誰からも見られていない証拠。

で、こりゃいかんと、2006年にNHKはカンフル剤として、ヒロインを指名したうえで脚本と共演者にも気を使って二作制作した。
「純情きらり」と、あともうひとつは「芋たこなんきん」
これで勢いを持ち返した。
結果は出せた。だけど、また低迷した。
やはり話が面白くないんだよ。
このことは大河にも共通するけど、原作があると強い。「純情きらり」も「芋たこなんきん」も原作あったしね。
そのあと、どうなったと思う?

「どんど晴れ」「ちりとてちん」「瞳」「だんだん」「つばさ」「ウェルかめ」……のきなみ視聴率低下。

そこで今度は、放送時間を朝8時に変えて、ご指名ヒロインにした。
松下奈緒の「ゲゲゲの女房」、原作もありますし、モデルも有名な漫画家。これが大ヒット。
たぶん、こういうことがNHKのダメな処なのだろうな。
ご指名ヒロインなら数字が取れると、大いに勘違いしたのだろう。しかし、その後は、やりすぎもあって、突出した作品だけがヒットしたよね。オーディションでヒットした作品て、僅かだと思うよ。
「カーネーション」「あまちゃん」「マッサン」「あさが来た」「半分、青い」「まんぷく」・・・。
あと売れたのって、たぶん、ご指名じゃない?それだってすべて売れたとは思わない。
「ひよっこ」「なつぞら」「エール」「カムカムエブリバディ」「らんまん」「ブギウギ」・・・たしかにオーディションで拾った無名の原石には、この役と作品ムリだわというものがある。
でも、他はどうだろう。
ねえ。


大竹しのぶレベルでも、オーディションですからね。
朝ドラも、ヒロインも、もっと凄い存在なのですよ。

タレント活動しているヒロインが面白くない朝ドラを生み出したら、それは罪です。ダイヤの原石だから許される冒険もあるのですよ。

ヒロインは大事だ。これがなければ、いま活躍するあの人を観ることは出来なかった。大事なんだ。

NHKは臆病にならず、もっと冒険して下さい。

あと。
OPは別に歌じゃなくてもいいんです。
いいドラマは、決してOPが歌だとは限らない。紅白にも出てくれない歌手に歌わせるメリットもない。音楽だけの方が印象に残る作品もある。

沢口靖子さえオーディションだったことを考えれば、もっと原石さがして磨いて欲しいよ。